相次ぐジャニーズ事務所との”広告契約”見直し 4割が「解除すべき」ながら男女差も
7日の謝罪会見以降、大手企業が次々とジャニーズ事務所との広告契約見直しを発表している。世間の印象を調べたら…。
2023/09/12 16:35
藤島ジュリー景子前社長、東山紀之新社長らが事実を認めて全面的に謝罪した、ジャニー喜多川氏による未成年者への性加害問題。
7日の謝罪会見は4時間を超えたが、ジュリー氏が今後も100%株主であり続けること、代表取締役を続けること、さらには製菓会社の名前を冠した社名を変更しないことなどについては、批判の声も多く見られた。
■人権DDの視点から警鐘も
千葉商科大学の常見陽平准教授は、専門家による再発防止特別チームの報告書が発表された時点で、この問題について「人権デュー・デリジェンス」の観点から警鐘を鳴らしていた。
「人権デュー・デリジェンスでは、取引先に違法労働行為がないかなどが論点となる。たとえば、児童労働や、従業員への虐待などが行われている下請け工場などと取引してはいけない。ミャンマーなどのように軍事政権が支配する国家やそれに賛同する企業との取引も問題となってきたのは周知の通りだ。
今回の報告書をたとえば、Netflix、Amazonなどの外資系プラットフォーマーが重大な人権問題として認識した場合、ジャニーズ事務所の浄化が明確にならない場合に、最悪の場合は配信停止になるシナリオもあり得る。たとえば、紅白歌合戦のような国民的番組や、大手企業のCMなどへの出演も、厳しい視点でみられるだろう」
■企業の契約見直し続く
こうした懸念の通り、会見終了直後から多くの大企業が雪崩を打つようにジャニーズ事務所所属タレントが出演する広告の出稿停止、広告契約解除の可能性や今後は新たに契約更新・起用を行わないことを次々に発表している。
番組などに所属タレントの起用を続けるテレビ局などとの温度差も感じられるが、世界と取引する企業ほど人権デュー・デリジェンスの基準を無視できないのかもしれない。こうした企業の動きについて、世間はどのように感じているのだろうか。
■「解除すべき」は4割弱
Sirabee編集部が、9月8〜11日にかけて全国10〜60代男女1,000名を対象に「ジャニーズ事務所と企業の広告契約」について調査したところ、「契約を解除すべき」と答えた人は38.4%だった。
契約を見直した企業側は、事務所のガバナンスが以前と変わっていないことを問題視するものの、世間にとっては「所属タレントも被害者」という意識が影響しているのかもしれない。
■男性は5割が「解除を」
ただ、男性タレントのみが所属するジャニーズ事務所は、ファン層が女性に集中している。今回の調査結果でも男女で大きな意識の乖離が見られた。
男性は48.0%とほぼ5割がジャニーズ事務所との広告契約解除を支持。一方、女性は29.2%にとどまっている。今回の問題は、同性による性加害で「被害者が男性」のため、男性のほうが恐怖心を強く抱いている可能性もあるだろう。
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(文/Sirabee編集部)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)