性犯罪者から保育・教育現場を守る「日本版DBS」 9割を超える圧倒的多数が導入に賛成
保育や教育など子供に関わる職業に就く際、性犯罪の前歴について確認するDBS制度。日本への導入を求める機運が高まっているが…。
■英国で誕生した制度
DBSは、英国で2012年に設立した「前歴開示・前歴者就業制限機構(ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス)」の略。
こども家庭庁は5日、これを参考にした「日本版DBS制度」についての報告書案を有識者会議に提示した。教師など子供に関わる人による性犯罪はしばしば報じられるが、これまでは各省庁が連携して前歴を確認できる仕組みが存在しなかった。
世界では英国だけでなくドイツやフランス、北欧などでも導入されているこの制度。日本への導入について、世間はどのように感じているのだろうか。
■9割以上が「導入に賛成」
Sirabee編集部が、8月27〜29日にかけて10〜60代男女1,000名を対象に「日本版DBS制度」について調査したところ、「一刻も早く導入すべき」という意見が最も多く、64.4%を占めた。
「慎重に議論して導入すべき」が31.1%。「導入すべきでない」はわずか4.5%で、9割以上の圧倒的多数が導入を前向きに受け止めていることがわかる。
■女性はとくに望む声
性犯罪にまつわる問題ということもあり、今回の調査結果にはやや男女差も見られる。一刻も早い導入を求める割合は、女性のほうが8ポイントほど多い。男性では「導入否定派」も女性の2倍となった。
憲法が保証する職業選択の自由との兼ね合いがあるものの、社会を守るためには必要と見る向きが多い。こども家庭庁が発足した意義がはっきりするような制度の導入を期待したい。
■執筆者プロフィール
タカハシマコト:ニュースサイトSirabee編集主幹/クリエイティブディレクター
1975年東京生まれ。1997年一橋大学社会学部を卒業。2014年NEWSYを設立し、代表取締役に就任。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。カンヌライオンズシルバー、TCC審査委員長賞、ACCシルバーなどの広告賞を受賞。
著書に、『ツッコミュニケーション』(アスキー新書)『その日本語、お粗末ですよ』(宝島社)
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)