犬にアパートを貸した不動産業者 「社会の道徳を乱した」容疑で逮捕に
犬は不浄な動物? ゆくゆくはペットを全面禁止にしたいイラン国会に、飼い主たちは困惑している。
イランの不動産業者が、チェスターという名の犬に家を売り渡す映像をネット上で共有した後、当局によって逮捕されたという。『Jelusalem Post』『WION』などの海外メディアが報じた。
■犬が契約書にサイン
メディアの報道によると、チェスターは相続人のいないイラン人の夫婦に飼われている犬で、8月になってからソーシャルメディア上で有名になり、論争を巻き起こしていた。
X(旧・ツイッター)で共有された映像には、チェスターが飼い主に促されてインクパッドの上に前足を置き、アパートの契約書に「スタンプを押す」様子が収められている。
■取引した不動産会社は閉鎖
この不動産取引の背後にある詳細の多くは不明だが、動画の一件は実際に起こったものであり、合法的な契約として行われたが、イラン当局はこれを許さなかった。
これにより、取引に関与した不動産業者は逮捕され、裁判所命令によってこの会社は閉鎖されたと、イランの半国営メディアであるファルス通信は報じている。
■逮捕には疑問の声も
イランのレザー・タバール副検事総長によると、犬にアパートを売却することは法的根拠のない行為であり、「社会の道徳的価値観の侵害を状態化する」試みであるという。
一方、ネット上では逮捕や会社の閉鎖はやり過ぎだという声も多く、「逮捕の理由が不透明」「どうしてこんなことが起こったのか説明が必要」などのコメントも寄せられていた。
■ペットを全面禁止に?
イランでは、こうしたペットを巡る騒動やニュースは珍しいことではない。犬を所有することは違法ではないが、イスラム教では伝統的に犬を不浄な動物とみなしている。
そのため実際にサウジアラビアなどの国では犬に対する法律があり、盲導犬や狩猟犬のみの入国が許されているそうだ。
さらに、イランの議員たちは2021年にペットの飼育を実質的に禁止する法律を提案しており、これもペットを愛する国民から大きな反発を引き起こしているという。
■犬がアパート契約書に押印?
رفتند یه آپارتمان به اسم سگشون آقا چستر زدن ، سگه پای قولنامه انگشتم زد 🤦♂️ pic.twitter.com/uSd30ZkCOe
— کتابشاه سوم (@ketabshah3) August 18, 2023
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)