トンネル内でスズメバチの巣に投石する40代男性が波紋 関係者は「無責任な人物」
トンネル内のスズメバチの巣に石を投げる動画がネット上で波紋。害虫防除のプロは「後始末を考えない無責任な行為」と苦言を呈している。
現在X(旧・ツイッター)上にて、トンネル内で投石し、スズメバチの巣を落とした人物の動画が物議を醸している。害虫・害獣のプロはこうした行為について「後始末を考えない無責任な行為」と怒りを露わにしているのだ。
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■トンネル内の行為に目を疑う…
波紋を呼んでいるのは、とあるXユーザーが8月30日に投稿した1件のポスト。
「バイクのツーリング中に雨宿りしたトンネルにスズメバチの巣があったから石投げてみたら落っこちちゃった」と綴られた投稿には、27日の15時30分ごろに撮影された動画が添えられており、トンネル内にあるスズメバチの巣に石を投げる様子が収められている。
巣の落下を確認し、投石した人物は一目散に逃げ出した模様。なお、ポストの末尾には「市役所には連絡済み」という言葉が、免罪符のように添えられていた。
■賛否の声が相次ぐが…
こちらのポストが投稿されるや否や、X上は文字通り「賛否両論」が入り混じる事態に発展。
ポスト投稿主の知人や、同じバイカーと思われる人物からは「ナイスなコントロールです!」「すごい勇気、そして命中。流石です!」といった具合に、称賛の声がリプライにて寄せられている。
一方、約2,000件にものぼる引用リポストには「中学生かと思ったら40代らしくて、目ん玉飛び出た」「大人のやることじゃないな」「責任をもって自分で駆除してほしい」「なんでこれが絶賛されているのか、理解に苦しむ」など、疑問や怒りの声が多く記されていたのだった。
そこで今回は、ことの顛末について同トンネルを管理する「山梨県大月市」に、こうした行為の危険性について公益社団法人「東京都ペストコントロール協会」に、詳しい話を聞いてみることに…。
■「後始末を考えない、無責任な人物」
大月市の「建設課」担当者に詳しい話を聞くと、動画撮影日の翌日・28日に匿名の人物から、スズメバチの駆除に関する相談の電話があったと判明。
同市は通報があった同日、市内にある「葛野川トンネル」で対応に当たり、現在は巣の撤去が完了。しかし、まだスズメバチが周辺を飛び回っている様子が確認できるため「スズメバチ注意」と書かれた看板を設置したそうだ。
建設課の担当者からは「万が一、対向車がやってきた場合、投げた石が当たってしまう恐れがあります」「また、スズメバチを刺激することは非常に危険な行為ですので、決して石を投げたりせず、道路管理者にご連絡頂きたいです」とのコメントが寄せられている。
また、今回の一件について、害獣・害虫防除のプロである東京都ペストコントロール協会は「当人は遊びのつもりでしょうが、先見性を持ち合わせている人物であれば、落とした後の通行者が襲われることなどを考慮し、このようなことはしないでしょう」と、苦言を呈している。
管理者がいる施設の巣を「勝手に落とす」という点も問題になるようで、同協会の担当者は「トンネル内の異変は管理者に通報するのが良いかと。隣の家のハチの巣を勝手に駆除してはいけないのと同じ感覚でしょうか」とも分析していた。
巣を落とされたスズメバチの状態については「攻撃性が頂点に達しているので、落ちた巣に近づく者が襲われる可能性があります。駆除をする際にも、巣から離れたハチがいれば別途措置が必要になると思われます」とのことである。
今回投稿された動画を受けての感想について尋ねると、「自分は逃げれば危険がなく、SNS受けする動画が撮れるので、面白半分な行為かと感じました。後始末を考えない、無責任な人物だと思います」と、キッパリ断言。
今回投石を行なった人物は、その後の投稿でも全く反省の色を見せず、依然として物議を呼んでいる。こうした行為がいかに無責任で危険であるかを、多くの人物に認識してほしいものだ。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)