『壁蝨』をなんと読む? 糞や死骸が皮膚炎や気管支炎の原因にもなるアノ生き物とは
高温多湿になると繁殖が加速するため、夏の間に増殖させないよう注意が必要だという。
生物に取り付いて血を吸ったり、アレルギー疾患の原因となったりと、よくない印象が強い「壁蝨」。正しく読めた人はどのくらいいただろうか。
■「壁蝨」は何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「壁蝨」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で55.9%の人が「だに」、44.1%の人が「のみ」と読むと回答した。
「だに」と読む人は男性が55.1%で女性が56.6%。「のみ」と読む人は、男性が44.9%、女性は43.4%という結果に。
■正しくは「だに」
「壁蝨」の正しい読み方は、「だに」。鋏角亜門(きょうかくあもん)クモガタ綱に属する節足動物の分類群で、全世界に約4万5千種も存在していると言われており、形態・生態ともに多様性に富んでいる。
ダニというと、生物の血を吸うなどの有害なイメージを持つ人が多いと思われるが、ダニ類は種数・個体数ともに膨大であるため、人間の生活に関わり体に悪影響を与える種は、ダニ類全体に対してはごく僅かな割合でしかないという。
■アレルギーの原因でもある
そうは言っても、身近な悪影響は避けられない。ダニは、ハウスダストなどのホコリの中にも生息しており、糞や死骸が皮膚炎や気管支炎等のアレルギー性疾患を引き起こす元となることでも知られている。
ダニは、室温25℃、湿度60%を超えると繁殖が加速するそうなので、高温多湿になりやすい夏の間は除湿機を使用したり、室温が上がりすぎないように調節したりしてダニを増殖させない工夫をすることが大切のようだ。
■「のみ」の漢字は「蚤」
「のみ」は漢字で「蚤」と書く。節足動物門昆虫綱ノミ目に属する昆虫の総称で、動物の体表に取り付き吸血して生活をする、代表的な外部寄生昆虫の1つだ。
「のみ」という名の由来には、人間の血を飲むことから「飲む」が訛ったという説や、よく跳ぶことから「跳び」が訛ったという説などがあるようだ。また、漢字の「蚤」は、「掻きたくなる痒い虫」という意味だという。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)