最寄りスーパーで見かけない秀逸スープ商品、再び入手するための「選択肢」とは?
【鈴木貴博『得する経済学』】出先でたまたま見かけて購入した商品。また欲しいなと思った場合、近所のどのお店なら売っているのでしょう?
「あれ、もう売ってないや。残念!」
スーパーで初めて見かけた食品を買うことってありますよね。とりあえず一個買ってみて美味しかったら今後も買えばいい。それはそれで正しい購買行動なのですが、こんなこともあるという話をします。
自宅からちょっと遠い町に家族で出かけ、スーパーに立ち寄って売り場を回遊していたときに見つけたのがクノールの「牛乳でつくる じゃがいものポタージュ」でした。昨年に発売された商品なのですが、わたしが普段買い物するスーパーに置いていない商品だったのでこんな商品があることに気づかなかったのです。
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■夏の贅沢、ヴィシソワーズ
わたしはヴィシソワーズという冷たいじゃがいものポタージュが大好物です。今から百年前、最高級ホテルのリッツカールトンのシェフが考案したスープで、ジャガイモとポロネギをブイヨンで煮て裏ごしし、生クリームでのばして冷製スープに仕立てます。わたしはてっきりフランス料理だと思っていたのですが、実はアメリカで考案されたスープでした。
まだ娘が小さかった頃、家族でファミレスに行くとわたしは480円の「ヴィシソワーズ」を、娘は190円の「こどもコーンスープ」を注文するのが日常だったのですが、ある日、娘がヴィシソワーズを一口飲んでからが大変で、それ以降、わたしがヴィシソワーズを注文すると娘が「わたしも」と言うようになってしまいました。
■まったく同じ商品ではないけれども…
さてヴィシソワーズはそれなりに手間がかかる料理なのでスーパーでレトルト商品を購入すると価格が高いことが多いのですが、たまに安くて味が近い商品を見かけることがあります。それが今回見つけたクノールのスープ。
パッケージを見るとポロネギの代わりにフライドオニオンを、生クリームの代わりに植物性のホイップクリームを使っている様子です。海原雄山なら違う意見を言うでしょうけれども、わたしは味が良ければそれでいいと思っています。重要なのは味です。それで一個買って家で試してみたのです。
■「これは美味しい」ということで再び遠征
スープ用のカップに一袋入れて、冷たい牛乳を少したらしては木製のスプーンで丁寧に伸ばします。この作業を3~4回繰り返すとスープが出来上がり。テーブルに移して背筋を伸ばして一口、味わってみます。
「くわっ」
漫画の『美味しんぼ』のカット割りで言えばこんな感じでしょうか。つまりおいしいんです。粉末パウダーを牛乳で伸ばすだけの商品なのに、家庭で食べられるヴィシソワーズよりも普通においしい。
そんなことから翌週、買い増しするつもりでまた同じスーパーまで遠征してみました。そうしたらもう置いていなかったのです。普段扱っていない商品をその週末だけの特売品として販売していたという事情でした。
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■近所で売っているお店を探すには?
こういったときは、発売元のホームページのお問い合わせフォームから「うちの近所だとどこに売っていますか?」と訊くべきです。最近は大手メーカーならだいたい情報を把握しています。
以前は間に卸が入っている関係でマイナーな商品の場合どのスーパーに置いてあるのかメーカーが把握していないケースがあったのですが、DX(デジタルトランスフォーメーション)のおかげで最近は問い合わせをすると半日ぐらいでメールで返事をくれるメーカーが増えました。
とはいえこれが地方の名産品のお菓子だったりすると首都圏の情報など持っていない場合も多々あり、結局、アマゾンや楽天で箱買いしたほうが早いなんてことになるわけです。
いただいた情報をもとに近所の普段行かないお店に出かけて無事ゲット。季節商品だったらしくちょうど棚の入替時期にあたっていた様子で30%オフで売っていた分を全力で確保。危ない危ない、来週だったらもう売っていなかったかも。こうしてわたしのお気に入りのインスタントメニューがまたひとつ増えたのです。
■著者プロフィール
Sirabeeでは、戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。
今週は「普段使っているお店で売っていない商品の見つけ方」をテーマにお届けしました。
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(文/鈴木貴博)