男に襲われた女性がキックボクシングで反撃 「過剰防衛」で罰金判決に抗議デモが発生
夜道で襲いかかってきた男をノックアウトした女性。罰金を課せられたことに、抗議のデモが起こっている。
夜道で襲いかかってきた男に反撃して気絶させた女性が、裁判所から罰金の支払いを命じられて物議を醸している。『Metro』『The Sun』などが報じている。
■夜道を歩いて帰宅
モンテネグロ・コラシン在住の女性(24)は友人女性と夜遊びを楽しみ、帰りは家まで歩くことに。しかし帰宅途中、ふたりは男につけられていることに気付いた。
その男は、カフェで女性にしつこく声をかけて来た人物と思われた。しばらくして男が話かけてきたが、ふたりは無視してその場を過ぎ去ろうとしたという。
■性的暴行容疑で男が逮捕
すると突然、男が女性のアゴをつかみながら股間に手を伸ばしてきたため、女性はとっさに男の顔面を力いっぱい殴打。4年前からキックボクシングを習っており、その戦法で男に反撃したのだ。
しばらくもみあった末に男は気絶して倒れたが、警察が駆けつけた時には意識を取り戻し、逃走した後だった。しかしのちに、男は性的暴行の疑いで逮捕された。最近開かれた裁判で、女性は被害者として出廷して証言したという。
■過剰防衛で女性に罰金支払命令
審理が終わると男は罰金刑に処され、約6万円の支払いを命じられた。罰金を支払い次第、釈放されるという。
また、裁判所は女性にも罰金約1万3,000円の支払いを命じた。その理由を「必要な自己防衛の範疇を超えており、公共の平和を乱した」などと説明し、過剰防衛だと指摘しているが、女性は判決を不服として控訴する意向を表明している。
■裁判所の判断に抗議デモ
判決後、モンテネグロの女性権利団体などが抗議の声を上げた。さらに女性を支持するデモが同国の主要都市で発生し、数千人が参加する事態に発展している。
女性を支持する政治家は、「恥ずべき判決。公共機関が女性の権利を無視すれば、悲劇的な事件につながる」とSNSに投稿。
同国の首相までもが、「裁判所の判断は残念だ。女性は恐れず勇敢に立ち向かった。裁判所や検事局が変わらなければない」などとコメントしている。
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(取材・文/Sirabee 編集部・宮 ちてら)