看護助手が認知症患者の指輪を外し質屋へ 夫の死後に形見としていた宝物を…
大切な指輪を盗まれてしまった認知症の女性。持病のせいで手指が丸く拘縮し、力づくで試みない限り、指輪が自然に落ちることはないはずだ。
認知症患者には、貴重品を含めた「紛失」のトラブルがどうしても多くなる。それでも「肌身離さず身に着けていたい」と言う物については、できるだけその意思の通りにさせてあげたいと家族は思うもの。
だが、時にはこのような事件に巻き込まれることも…。そんなある事件について、アメリカ・ペンシルベニア州の『TRIB LIVE』『WPXI-TV』などが報じている。
■老人ホームで窃盗事件
11日、ペンシルベニア州マリーズビルの年金生活者向けコミュニティにある老人ホーム「レッドストーン・ハイランド」で、窃盗事件が発生した。
そして23日には、クリスティーナ・アンクニー(39)が警察に逮捕された。看護助手として最近働き始め、6月4日に被害者女性の介護に当たっていた女であり、現在、余罪の有無についても調査中だという。
■盗んだ指輪を質屋に
被害に遭ったのは女性の入所者で、死亡した夫からもらった婚約指輪と結婚指輪の2点を盗まれた。マリーズビル警察は、プライバシーを重んじるとして、女性の氏名などは明らかにしていない。
アンクニー容疑者は4日、ノースベルサイユの質屋「ファット・ポケット・ポーン」にそれらを持ち込み、現金464ドル(約6万8,000円)を受け取っていた。
■かみ合わない主張
逮捕されたアンクニー容疑者は、指輪は誰かが落とした物だと思って拾っただけで、悪意はなかったと主張している。しかし女性患者の娘は、「嘘をついている」として認めていない。
女性患者は夫が亡くなって以来、近年はずっと2つの指輪を着けていた。ところが現在は持病のせいで手指が丸く拘縮しており、誰かが故意に外そうと力ずくで試みない限り、指輪が自然に落ちることはないと主張している。
■郵便物を盗んだことも
マリーズビル警察は近隣の質屋やリサイクルショップについて、持ち込まれた物品をすべて調べた結果、アンクニー容疑者の名を突き止めていた。
盗難品である可能性も視野に入れ、質屋でもリサイクルショップでも、店主は必ず身分証明書の提示を求めているからだ。
なお、アンクニー容疑者は2022年に郵便局の職員として働いていた時期に郵便物を盗む事件を起こし、連邦警察に逮捕され保護観察中の身であった。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)