スペインでバナナの出荷コンテナに隠れたコカイン発見 同国最大の9.5トン押収
バナナの出荷コンテナを利用する麻薬の輸入はよくある手口だといい、過去にも8トンのコカインを押収したことがあった。
スペイン警察が今週、エクアドル原産のバナナ貨物コンテナに隠されていたコカイン9.5トンを押収したと発表した。
これは、同国がこれまでに経験したコカインの押収量としては最大であり、警察も驚愕の色を見せている。『NEW YORK POST』や『abc NEWS』などの海外メディアが報じた。
■大量の麻薬がバナナコンテナに
ヨーロッパ大陸の中で最もアフリカ大陸に近い港であるスペインのアルヘラシス港で、スペイン当局が大型のコンテナに隠された大量のコカインを発見した。
コンテナはバナナの出荷に使用されるはずのものだったが、7月に警察が「コカインが輸入される」という情報を入手してから、捜査の対象となっていた。
バナナの箱が1,080箱入るという大型コンテナの、中身の全てがコカインだったといい、警察が押収した量は9.5トンに上った。
■過去にも同じ手口で密輸
コンテナ内の貨物はポルトガル行きになっており、そこから欧州全土に引き渡される予定となっていた。箱にはさまざまな犯罪組織のロゴが記されていたというが、これまでに逮捕者は出ていない。
これまでのスペインの最大のコカイン押収は、2018年に行われた8.4トンであり、これも同じアルヘラシス港で、バナナコンテナと思われるものから発見された。
今回、過去最大量のコカインを押収したことについて、警察は声明の中で「犯罪組織に前例のない打撃を与えることができた」と述べている。
■麻薬流入の拠点
スペインは、世界のコカインの多くが生産されている旧スペイン領の南米諸国と密接な関係にあるため、欧州への麻薬流入の重要な拠点となっている。
財務省によると、不正薬物の日本への密輸入は、令和4年の1年間での総量が約1,1トンだった。このデータを鑑みるだけでも、たった1回の押収で9.5トンにまで上ったというスペインでの不正薬物の密輸が、いかに盛んか明らかだろう。
自家製の潜水艦や空中ドローンを用いて密輸する犯罪組織も存在するといい、これらを摘発することがスペイン警察の重要な任務となっている。
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(文/Sirabee 編集部・広江おと)