熱中症対策の味方、経口補水液に「落とし穴」があった 持病を持つ人は注意が必要で…
熱中症対策の味方、経口補水液。脱水時以外で飲む場合は注意が必要で…。
もうすぐ8月も終わるが、各地で蒸し暑い日が続く。引き続き、熱中症に注意が必要だ。暑くて大量に汗をかいた際は、経口補水液を飲むことが推奨されている。
ただ、注意点もあるようで…。
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■消費者庁も注意を呼びかけ
経口補水液は、水にナトリウムなどのミネラルとブドウ糖を一定の割合で配合した飲料。熱中症対策としてお馴染みだが、消費者庁は注意を呼びかけている。
脱水時以外で水やお茶と同じ感覚でがぶ飲みすると、ナトリウムの過剰摂取になる恐れがあるというのだ。経口補水液を飲む際、どんな点に気を付ければいいのか。
医学博士、循環内科専門医でDIOクリニックを運営する、医療法人理事長の藤井崇博氏に話を聞いた。
■持病のある人が飲む時は注意
藤井氏は、経口補水液は医薬品ではないため、用量が明確に定められているわけではないと前置きする。「脱水の症状に応じて、失われた水分の補給に役立てるようにしましょう。ただ、経口補水液には塩分が含まれているため、日常的に飲むには注意が必要です。最近ではナトリウム濃度を低くした経口補水液や、自分で濃度の調整ができる粉末タイプなどもあるので、上手く活用すると良いでしょう」(藤井氏)。
脱水症が疑われる場合を除いて、持病を抱えている人は注意が必要だ。藤井氏は、「経口補水液には塩分(ナトリウム)1.4g、角砂糖2個分程度のブドウ糖が含まれているので、特に高血圧、糖尿病、心臓疾患、腎臓疾患など持病のある方は医師と相談して1日の上限本数など相談された方がいいです」と呼びかける。
これらの持病がある人が、経口補水液をがぶ飲みしてしまうと身体に悪影響となる可能性もあるということ。本来、我々の味方になるはずの飲み物が、健康に支障をきたすのは「落とし穴」である…。
■経口補水液を混ぜるのはNG
夏場、熱中症対策で経口補水液を買い込んだものの余ってしまった。経口補水液はしょっぱいので、飲みやすくするためにジュースと混ぜる──。ネット上では、こうした飲み方をする人も見受けられる。
経口補水液を他の飲料と混ぜることに関して、藤井氏は「経口補水液は、水と電解質が速やかに体内に吸収できるように、組成バランスが調整されています。他の飲み物に混ぜると電解質と糖分のバランスが崩れ、吸収速度にも影響が出ることがあります。基本的には他の飲み物と混ぜずに飲んで下さい」と、警鐘を鳴らす。
経口補水液を販売するメーカーでも同様の注意をしているので、混ぜないようにしよう。
■熱中症以外で飲むタイミングは
「がぶ飲みNG」であれば、熱中症対策以外でどんな時に飲めばいいのか。藤井氏によれば、下痢や嘔吐の症状がある時と風邪・インフルエンザなど感染症による発熱がある時がいいとのこと。
「胃腸炎などによる下痢や嘔吐がある場合、体から水分と共に電解質も失われます。失われた水分をその都度、経口補水液で補うようにしましょう。また、発熱がある時も、体温を調整するために発汗量が増えます。発熱が持続すれば、多量の発汗によって体から水分と電解質が失われます。本人はのどの渇きを感じないことも多く、脱水が進行して症状の悪化を招いたり、回復を遅らせたりすることもあると言われています」(藤井氏)
乳幼児や老人が発熱した際は、自身でのどの渇きに気づきにくかったり、自力で水分補給を行なうのが難しい場合もあるため、周りの人がサポートしたほうがいいそうだ。
経口補水液、脱水状態以外で飲む際は今回紹介した点に気を付けてほしい。
■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に取材。飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。
仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。今期の推しは、『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)と『ばらかもん』(同系)。『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)の行方も気になる毎日。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人 取材協力/<a href="https://dioclinic.jp/">医学博士、循環器内科専門医で、DIOクリニックを運営する医療法人理事長の藤井崇博氏)