パイロットが機内トイレで心肺停止 看護師が搭乗も「救命用物資が揃っておらず」
離陸後間もなくして、パイロットが心肺停止に…。医師や看護師らによる懸命の応急処置も虚しく、そのまま帰らぬ人となってしまった。
人は、いつどこでひどい体調不良に陥るか分からない。また、ただちに救命措置を施しても、残念ながら助からない場合もある。
このたび、あるパイロットに起こった悲劇を、イギリスの『Daily Mail』やアメリカの『NEW YORK POST』などが報じている。
■トイレで心肺停止
今月13日午後11時ごろ、アメリカ・フロリダ州のマイアミからチリのサンティアゴに向け、ラタム航空のボーイング787型機が飛び立った。
同機のパイロットは56歳のイヴァン・アンダウルさん。ところが離陸後間もなく、イヴァンさんは体調不良を訴えトイレに駆け込んだ。そのまま意識を失い、心肺停止状態に陥ってしまったことがわかっている。
■離陸後間もなくして体調に異変か
乗客の情報によると、離陸から40分ほど経った頃、客室乗務員より医療従事者を探すアナウンスが流れたそう。
医師と看護師が2人ずつ名乗り出て、4人は力を合わせ心肺蘇生法など医療措置を試みたが、イヴァンさんが意識を取り戻すことはなかった。また乗務員らは乗客に向け、インスリン製剤を持っている人はいないかと呼びかけていたという。
■最寄りの空港に緊急着陸
幸いにもコックピットにはパイロットが他に2名おり、同機は最寄りの空港であるパナマのトクメン国際空港に緊急着陸した。
ただちに現地の救急隊員が機内に乗り込み、イヴァンさんの救命にあたったが、残念ながら死亡が確認された。乗客らは降機してパナマシティのホテルに泊まり、15日のフライトが再スケジュールされたという。
■救命物資の問題を指摘
機内でその緊急事態に対応した看護師のイサドラさんは、メディアの取材に「救える可能性は十分あったのに、機内には必要な物資が揃っていなかった」と指摘。問題点を迅速に改善するべきだと訴えた。
これに対し、ラタム航空も声明を発表。「パイロットを救うため、必要な手順はすべて整っていたはずだ」と反論している模様だ。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)