コミケ「コスプレ広場」にはびこる盗撮カメラマン、現場で腕をつかみ上げると…
コミケ参加者から報告される「盗撮カメラマン」。現場で当事者を見つけ…。
12~13日、東京ビッグサイト(東京・有明)で同人誌即売会「コミックマーケット102」(コミケ)が開催され、2日間で約26万人もの参加者を集めた。みな秩序を守りイベントを楽しんでいる中、盗撮犯の目撃報告がネットで相次ぎ、物議を醸している。
■秩序乱す盗撮カメラマン
コミケの見どころの一つがコスプレ広場。ビッグサイトの最東端から最南端まで合計3カ所のコスプレ撮影スペースが用意され、どの広場も13時を過ぎると大勢のコスプレイヤー、カメラマンで賑わった。
しかし、今回も残念ながらコミケ側が提示している「撮影ルール」を無視し、欲望のままに違反行為を繰り返す盗撮カメラマンも少なからずいる。
■女性コスプレイヤーのヒップを…
記者が12日、東7ホールで取材を続けていると、怪しい行動を続ける中年男性を見かけた。手にはコンパクトデジカメ、両耳を覆うように頭からタオルをかけ上にキャップを被ったメガネ面のカメラマンだ。前にはハイレグレオタード衣装に身を包んだ女性コスプレイヤーが歩いており、その後ろをぴったりと着いて歩いていく。
横からのぞくと、男はへそあたりでカメラを構え、モニターは動画撮影モードになっている。女性の臀部だけをアップにした卑猥な撮影を続けていたのだ。
■逃げながら「撮影動画」を削除
コミケが公表している撮影ルールには「被写体となる個人の許可無き撮影や周囲の方々に撮影していることがわからない形での撮影、盗撮は禁止します」という一文があり、この行為は被写体の許可がない限り完全NGである。
前を歩いていたコスプレイヤーに許可の有無を確認すると、「許可もしていないし、声がけすらされていない」という。すぐさま咎めようと振り返ると、男は慌ててデジカメの動画を削除しながら逆方向に走り始めた。手を掴み、取り押さえると「動画は全て消すので勘弁してください」と謝罪。
その後、コスプレイヤーと3人で話すことになったが、彼女は「更衣室の利用時間が迫っている(から時間がない)。今回は許すので、動画はすべて消し、二度としないと約束してください」と言い放ち、男を解放した。
■「盗撮多くてびっくりしちゃった」
その日は、撮影待機列からの無断撮影、さらには撮影時の局部アップ撮影など、アウトな行為を3回ほど目撃。すべてその場で声掛けし、行為をやめさせた上でコスプレイヤー側に報告した。そんな例はここでは珍しくないのだ。
SNSでは、コミケを標的にする盗撮犯たちに対し、「盗撮するのは犯罪」「コミケ盗撮多くてびっくりしちゃった」「ネットの海にそのまま流れる覚悟持ってね」「説教したい」と怒りを訴える声が相次ぐ。会場には警備スタッフや警察官の姿もあるが、その隙を狙って横行する違反行為を許すことはできない。
■執筆者プロフィール
キモカメコ佐藤:1982年東京生まれ。『sirabee』編集部取材担当デスク。
中学1年で物理部に入部して以降秋葉原に通い、大学卒業後は出版社経て2012年より秋葉原の情報マガジン『ラジ館』(後に『1UP』へ名称変更)編集記者。秋葉原の100店舗以上を取材し、『ねとらぼ』経て現職。コスプレ、メイドといったオタクジャンル、アキバカルチャーを精力的に取材中。
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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)