1週間で打点11荒稼ぎの4番・牧秀悟がベイスターズを再び勢いを【横浜DeNAベイスターズ週間MVP】
明るさがウリのベイスターズ。その“チームらしくない”暗いムードを一変させた出来事とは。チームの息を吹き返した牧秀悟の活躍に迫る。
6日からのドラゴンズ戦でスイープに成功。敵地に乗り込んだジャイアンツ戦での初戦、意地の逆転勝ちを見せながら土日に連敗してしまった横浜DeNAベイスターズ。
とりあえず3位の座を固めたいところだったが、逆に4位に1ゲーム差に詰め寄られる状況となってしまった。しかし1週間に4勝は6月以来と、7月の不調からは上昇気配も感じられた。
■苦しむチームを波に乗せた牧秀悟
その結果をもたらしたのは、なんといっても4番の牧秀悟。この間23打数10安打で打率.435、ホームラン2本で、本人も一番こだわる打点は脅威の11と荒稼ぎ。
8日、9日、10日と4勝中3度もお立ち台に上がるなど、打線の核として印象、数字とも文句のつけようがない結果を残した。特に引き分けを挟んで4連敗中の8日の殊勲打は、苦しむチームを波に乗せる大きな働きだった。
■“チームらしくない”雰囲気
首位・タイガース戦で3連敗を喫した前カードのゲーム後は「自分が入って来て今までにないくらい暗いというか、ベイスターズらしくない雰囲気だった」と明るさがセールスポイントのチームらしくない雰囲気だったと告白。
その嫌な流れに引きずり込まれるように、初回にエースの今永昇太がまさかの4失点を喫し、牧自身も「今永さんでもああいう風に崩れてしまうというのは、そういう流れがあるのかなと正直思いました」と素直に現状に危機感を感じ取ったと吐露した。
■嫌なムードを変える出来事
横浜スタジアムに集まったベイスターズファンにも“またか”の雰囲気が漂ったその中で、同点3塁打と勝ち越し2塁打を放ち嫌なムードを一変。「今日をきっかけに一つ一つ取り戻していきたい」との言葉通り、チームはその後4連勝。
11日は1点ビハインドの9回、起死回生の逆転2ランをレフト上段に叩き込み、好投していた東克樹に9勝目をプレゼント。劇的な一打は、再びファンとチームに一体感をもたらした。
■史上初の交流戦優勝も
主に交流戦となった6月は打率.319と好調で、史上初の優勝を引っ張った。逆説的にチームも苦しんだ7月は.259と結果が出なかった。コアとなる4番のバットはチームの成績に直結するだけに、背番号2の爆発はこの上ない好材料となる。
■執筆者プロフィール
萩原孝弘:1971年生まれ。生まれも育ちも横浜の生粋のハマっ子で、大洋が横浜に移転して以来、一貫してホエールズ〜ベイスターズファン。
23年のオフィシャルイヤーブックもライターとして参加した。あくまでもファン目線で、独自のインタビューコラムや記事を各媒体で執筆中。
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(写真・取材・文/Sirabee 編集部・萩原孝弘)