SNSで誹謗中傷してきた“犯人”をコミケ「売り子」役に起用… 世紀の大奇策で成功収める

漫画家のやしろあずき氏がコミックマーケット(コミケ)にサークル出展。同氏を誹謗中傷した一般男性を売り子に起用するという奇策を見せ…。

やしろあずき

漫画家のやしろあずき氏が13日、東京ビッグサイト(東京・有明)で開催された同人誌即売会「コミックマーケット102」(コミケ)2日目にサークル出展。過去にやしろ氏を誹謗中傷し情報開示された男性を“売り子”に起用するというクレイジー…否、驚異的な懐の広さを見せ話題を呼んだ。


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■サークルの主、やしろが言い渡した示談の条件とは…?

過去幾度となく、SNS上で誹謗中傷を受けてきたやしろ氏。有名人を標的にした卑劣なバッシング行為は昨今社会問題化しており、今回やしろ氏は弁護士を通して誹謗中傷の投稿者を特定する「発信者情報開示請求」を実行していた。

その“犯人”とコンタクトすることに成功し、慰謝料請求といった示談ではなく、自サークルのスタッフとして「コミケ」で無賃労働させるという内容を提示すると当該男性(以下、開示くん ※やしろ氏のサークルで命名)がその条件をのんだため、今回の流れになったのだ。

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■開示くんとボディガードに囲まれ…

やしろあずきサークル

11時、サークルスペースに到着すると机の前には、ファンたちによる長蛇の列。

ニッコリはじける笑顔で対応するやしろ氏、隣で静かに座り込む開示くん、そしてショットガンを装備した武力99はありそうなボディガード・ニールさんという3名でファン対応を行っていた。

やしろあずきサークル

スペースで無料配布していたのはクリアファイルで、そのデザインは情報開示する際に提出する「発信者情報開示請求書」を再現したもの。右下にやしろ氏が描いたイラストが掲載されており、そこには「誹謗中傷ダメ、絶対!!」というメッセージが刻まれていたのだった。


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■「ワイは応援します」

やしろあずきサークル

sirabee記者がアポなしでやしろ氏に挨拶をすると、「あ、いつもありがとうございます…! ぜひクリアファイル持って行ってください!」と爽やかに対応してくれた上、クリアファイルにイラスト入りのサインまで。優しい。

やしろあずきサークル

他のファンはやしろ氏だけでなく、開示くんにもサインをお願いするなど盛り上がりを見せ、予想上回るハイペースで無料ファイルが底をつき配布完了。

「これももってけ!」と、ニールさんがオリジナルキーホルダーも無料配布していたがこちらもすぐなくなり、1時間足らずで配布イベントは終了となった。

やしろあずきサークル

開示くんの当日ばっくれも十二分にありえた今回の出展。しかし彼はちゃんと現場に現れ、ファン対応に協力。その姿からは「改心」の感情が見てとれた。

やしろ氏はイベント終了後「元々漫画家を志していた人だったんですが、初めてコミケに来て刺激を受けまた夢を追ってみたいと言ってました。ワイは応援します」と感想を述べている。…これぞ令和の大岡裁き。


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■執筆者プロフィール

キモカメコ佐藤:1982年東京生まれ。『sirabee』編集部取材担当デスク。

中学1年で物理部に入部して以降秋葉原に通い、大学卒業後は出版社経て2012年より秋葉原の情報マガジン『ラジ館』(後に『1UP』へ名称変更)編集記者。秋葉原の100店舗以上を取材し、『ねとらぼ』経て現職。コスプレ、メイドといったオタクジャンル、アキバカルチャーを精力的に取材中。

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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤

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