高齢の母の看病に疲れた息子が「さっさと死ね」 死別後に立ち直れず
母親の世話に追われ、ストレスをためていた息子。そのせいで「さっさと死ね」と言ってしまったことを後悔し、自分を責める日が続いているという。
看病や世話を任され参っていたせいで、闘病中の母親にひどいことを言ってしまった息子。その後に死別し、「罪悪感で苦しい」という相談が話題を集めている。
■長く続いた闘病
海外で暮らす男性(53)は、長いあいだ母親(87)の看病や世話に追われて疲れていた。
兄もひとりいるが遠方で暮らしているため、母親に寄り添えるのは自分しかいない。そのせいで家族との時間を確保できないことも増え、男性のストレスは溜まる一方だった。
母親は心臓が弱く、喘息もある。心から愛し大事に思っているのに、弱る一方で世話が欠かせない母親は、いつしか疎ましい存在になった。
■看病にうんざりし暴言も…
そのうち母親は肺炎を患って入院し、男性ひとりが付き添い世話をすることに。イライラとストレスが限界に達した瞬間、男性は心にもないことを母親に向かって呟いてしまった。
「さっさと死ねよ」。そう言った瞬間に後悔し罪悪感でいっぱいになったが、もう手遅れだった。
母親はその後に死亡したが、「胸が張り裂けるような思いのまま旅立ったのではないか」という思いが、今はどうしても拭えない。
■後悔に苦しむ日々
母親は自分を高く評価し、会うといつだって心から喜んでくれた。優しく愛情深かった母親に、どうしてあんなことを言ってしまったのだろう。
男性は今も寝苦しい夜はそんな思いで胸がいっぱいになり、「申し訳ない」という気持ちでやるせなくなる。そんな男性がイギリスのメディア『The Sun』の悩み相談コーナーに投稿し、助言を求めた。
■「お母さんは幸せ」と回答
相談を受け付けた回答者は、「このような後悔に苦しむ人はあなただけではない」と断言。世の中には親の看病・介護に追われ、同じように思ってしまう人が多いと示唆した。
また家族との死別後に罪悪感に苦しむことも一般的であると説明し、「お母さんはあなたが一緒にいてくれたことを喜び、何年も世話をしてくれたことに感謝していたはず」「お母さんは、自分があなたにとってどれほど大事な存在だったか、知っていたのですよ」と男性を励ました。
親との別れで、「後悔はない」と言い切れる人は少ないだろう。それでも見送った後は、「ありがとう」と思うことが大切なのではないだろうか。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)