『鷺』を何と読む? 田んぼで餌をつついている“透き通るように白い鳥”とは…
飛んでいる最中に餌を吐き戻してしまい、空から降ってきた魚に人々を驚かせることもあるという。
■「鷺」は何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「鷺」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で91.0%の人が「さぎ」、9.0%の人が「しぎ」と読むと回答した。
「さぎ」と読む人は男性が89.3%で女性が92.6%。「しぎ」と読む人は、男性が10.7%、女性は7.4%という結果に。
■正しくは「さぎ」
「鷺」の正しい読み方は、「さぎ」。ペリカン目サギ科に属する鳥類の総称で、水辺に生息する水鳥の仲間。サギ科は世界に65種、日本に19種が生息しており、日本では、アオサギ、ゴイサギ、ダイサギなどが見られるという。
川や水田などが餌場で、魚、両生類、爬虫類などを食べる。ときには哺乳類や鳥類を捕食することもあるそう。餌を巣に持ち帰る道中、飛びながら吐き出してしまうことがあり、空から降ってきた小魚やおたまじゃくしなどが路上に散乱し、不思議な現象として報道されることもあったようだ。
■透き通るように白い鳥
その語源は、羽が白いことから「サヤケキ(鮮明)」が転じたとする説、鳴き声が騒がしいことから、「サヤギ(騒)」から「サギ」になったとする説、「サケ(細毛)」や「サケ(白毛)」などその羽に由来するという説、水辺の鳥なので、「イサ(磯)」に「キ(鳥を表す接尾語)」が付いたとする説など、諸説あるようだ。
また、漢字の「鷺」は、「鳥」と「路」からなる形声文字で、「路」は「露(透き通る白いつゆ)」を、「鷺」は「透き通るように白い鳥」を表しているという。
■乱獲などで生息数が減少している種も
「しぎ」は漢字で「鴫」と書く。チドリ目シギ科、およびその近縁の科の鳥の総称。シギを意味する「鴫」という文字は奈良時代に日本で形成された国字だという。
開発による生息地の破壊や乱獲、ほかの動物による捕食などにより生息数が減少している種もいるため、日本では鳥獣保護法により、タシギとヤマシギが狩猟鳥獣に指定されている。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)