「マナティーの交尾をそっとしておいて」 相次ぐ通報に警察が呼びかけ
マナティーの荒々しい集団交尾を、怪我と勘違いする人々が通報。地元警察は「いつも以上に元気です」と回答している。
毎年夏にかけて行われるマナティーの「集団交尾」について、事情を知らない目撃者からの通報が相次いでおり、警察が異例の注意喚起を行っている。『Miami New Times』『The Daily Beast』などの海外メディアが報じた。
■地元警察に通報が相次ぐ
アメリカ・フロリダ州で、多くの人々に愛されている海棲哺乳類のマナティー。発情期は3月から9月まで続き、夏の間は温かいビーチの浅瀬に集団で集まって交尾を行う様子が、地元の風物詩として知られている。
しかし、近年ではマナティーの交尾の目撃者から、彼らを心配する通報が地元警察に大量に寄せられているという。
■交尾をしているだけ
マナティーの交尾は浅い水域で行われ、事情を知らない目撃者からは彼らがもがき苦しんでいるようにも見えるという。そのため警察に通報したり、現地へ赴いて「手助け」しようとしてしまうのだ。
これに対し、ピネラス郡の保安官事務所はFacebookに「彼らはいつも以上に元気です」「見物に行ったり、警察を呼ばないでください」と書き込み、注意を呼びかけている。
■マナティーの大量死で敏感に?
フロリダ州の人々がマナティーの動向に対して過敏になっている理由の一つには、ここ数年続いているマナティーの大量死が挙げられる。
2021年には1,100頭以上のマナティーが死亡し、フロリダ州の年間死亡頭数としては過去最高を記録。「異常な死亡事故」として、対応が求められるケースとなった。
2023年はこれまでに400頭近くのマナティーが死亡しており、依然として多くの人々がマナティーたちの一挙手一投足から目が離せないでいるようだ。
■「遠くからそっと見守って」
非営利団体のセーブ・ザ・マナティー・クラブによると、マナティーの交尾は時にオス同士が優先順位を競って転がり回ったり、お互いを突き飛ばすような激しいものになることもあるそうだ。
人間が巻き込まれて怪我をする危険性もあり、同団体はビーチでマナティーの交尾を見かけた際は、近寄ったり触れようとしたりせず、「敬意をもって遠くから見守るように」と呼びかけている。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)
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