歩行禁止のはずのエスカレーター トラブル回避か「あえて両側立ち」は2割に満たず
後ろから来た人のプレッシャーが嫌なのか。自治体や鉄道会社の呼びかけにもかかわらず、両側立ち派は…。
混雑の原因となり、また事故につながる恐れもあるため、自治体や鉄道事業者が呼びかけを続けているエスカレーターの「両側立ち」と「歩行禁止」。
しかし、Sirabee編集部の調査では、45.6%の人が「禁止されていたとしても片側は空けるべき」と、ルールを完全に無視した考えを持っていることが判明している。
■片側空けが行列の原因にも
埼玉県や名古屋市では、罰則こそないもののエスカレーター歩行禁止が条例化。ルールには従順な印象がある日本人がここまで頑なにエスカレーターの片側を空けるのは、自らも歩く人が多いだけではないだろう。
ルールに従って両側に立った場合、後ろから来た「急いでいる人」とのトラブルになることを恐れているのではないだろうか。結局はこの心理こそが、片側空けを蔓延させてしまっている原因だと思われるが。
そんな中においても、トラブルを恐れず「あえて両側立ちする人」はどれくらい存在するのだろうか。
■8割以上が「しない」
Sirabee編集部が、6月30日〜7月2日にかけて、全国10〜60代男女1,000名を対象に「エスカレーターの両側立ち」について調査したところ、「よくする」と答えた人は3.1%、「たまにする」が6.3%だった。
「1、2回は経験あり」という人も5.7%いたが、84.9%と圧倒的多数がルールには従わず、あえて両側立ちすることは避けていることが明らかとなった。
■女性はとくに…
では、あえて両側立ちするのはどんな人たちなのだろうか。今回の調査結果では、男女差も顕著に開いている。あえて両側立ちを「よくする」と答えた人は、男性では4.4%なの対して女性では半分以下の1.8%。
「たまにする」も男女で2.6ポイント差が開いている。女性の場合、強面のヤカラなどに脅されるリスクもあり、ここまで守る人が少ないルールに従うことを躊躇してしまうのかもしれない。
■執筆者紹介
タカハシマコト:ニュースサイトSirabee編集主幹/クリエイティブディレクター
1975年東京生まれ。1997年一橋大学社会学部を卒業。2014年NEWSYを設立し、代表取締役に就任。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。カンヌライオンズシルバー、TCC審査委員長賞、ACCシルバーなどの広告賞を受賞。
著書に、『ツッコミュニケーション』(アスキー新書)『その日本語、お粗末ですよ』(宝島社)
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)