マクドナルド不毛の地・南浦和に激震走る 「歴史に残る事件」の背景に思わず感動…
長年「マクドナルド不毛の地」として地元民からの嘆きの声が聞こえてきた南浦和。果たしてどれくらい渇望されていたかというと…。
日本中の至る所で、気軽にハンバーガーを楽しめるのがマクドナルド。もはや「存在して当たり前」とも言えるレベルの地位を確立しており、それ故に「マクドナルドへの感謝」が疎かになっている人も少なくないのでは。
そんな中、埼玉県さいたま市・南浦和にてマクドナルドに関する「革命的」とも言える事件が勃発し、住人らを驚かせているのだ。
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■南浦和の「歴史」に残る事件
6月30日、南浦和の歴史に残る大事件が発生する。JR南浦和駅東口から徒歩1分ほどの距離に「マクドナルド 南浦和東口店」がオープンしたのだ。
これらの文章を読んで「マックができたぐらいで大袈裟な…」と感じた人は「南浦和ビギナー」である。今回初めて「南浦和」という単語を目にした人は、まず西口の「丸広百貨店」で買い物するところから始めてみよう。
そして「これまで南浦和にマック無かったっけ?」と首を傾げた人は「南浦和中級者」である。南浦和の規模をそれなりに理解しているものの、土地の歴史については理解が不足しているだろう。
真に南浦和を理解している人であれば「あの南浦和にマックができたのか!」と、初孫が生まれたかの如く感激するのが自明の理である。今回は「なぜ南浦和にマックができたのは事件なのか?」という疑問を、紐解いていきたい。
■そもそも南浦和ってどんな場所?
埼玉県、さいたま市の中でも南部寄りに位置する南浦和は都内へのアクセスに秀でた地で、南浦和駅には京浜東北線、武蔵野線の2線が開通している。
時間帯によっては「京浜東北線」(大宮方面)のターミナル駅となるため、南浦和駅で下車した経験がある人も少なくないだろう。
前出のように東京駅までも乗り換えなし、40分弱でアクセス可能なほか、東京ディズニーランドがある舞浜駅まで1本で行けるのも強みである。
駅付近も決して「栄えていない」ワケでなく、むしろ日中は近隣の中学・高校や自動車教習所に通う生徒らの姿を多く見かけ、夕方以降は居酒屋等も賑わいを見せている。また、学習塾が非常に多いのも特徴の1つ。
これらの要素を考慮すると、以前からマックが存在していても、なんら不思議ではない土地なのだ。
だが、埼玉県内の京浜東北線停車駅を見ると(一部、現在は閉店した店舗もあり)大宮、さいたま新都心、与野、北浦和、浦和、南浦和、蕨、西川口、川口の中で、南浦和だけが唯一、今年6月30日まで「駅付近にマクドナルド店舗が存在しない地」であり、これはどう考えても異常事態である。
そうした背景もあって、いつからか人々の間では「マクドナルド不毛の地、南浦和」なる、不名誉な呼称が広まっていったのだ。
■地元民の声を聞くと…
南浦和にマクドナルドがオープンしなかった理由として、長年提唱されていたのが「寄り道防止説」と「地主が反対している説」である。
今回、南浦和にマクドナルドがやって来た件について、南浦和で青春を謳歌した30代の男性「GQ大好き」さん(レンタルショップG.Q. 南浦和店は約10年前に閉店)は、「ついに駅前にできるのか…と感慨深い気持ちですね。これまでは『マクドナルドが食べたい』と思っても、太田窪の産業道路沿いにあるマック(浦和太田窪店)に通ってましたからね。あの辺りは坂も多いですから、自転車で行くのもひと苦労でした」と、笑顔でコメントを寄せてくれた。
マクドナルドが存在しなかった理由については「地元住民も不思議に思っていました。塾が多い街ですし、複数の学校の最寄り駅でもありますからね。子供たちがたむろすることを懸念する人たちが反対しているとか、あの辺りの地主の方々の強い意見があったとか、昔から噂はありましたね」と、地元民ならではの視点から分析している。
従来の南浦和は「松屋」や「すき家」といった一人向けの飲食店、その他居酒屋は豊富な地だが、学校・塾帰りの子供たちが集まって立ち寄れるような店は東口のモスバーガー、KFC、西口のミスタードーナツくらいであった。しかし、いずれも席数が豊富であるとは言い難く、駅付近にはファミレスも皆無である。
となると、100席以上を有するマクドナルド店舗のオープンは、南浦和飲食界隈にとっての「黒船来航」と言えるだろう。実際オープン以降、同店舗には様々な客層のユーザーが集い、食事や会話を楽しみ、勉強に勤しんでいる姿が確認できたのだ。
■マックが語る「真実」に驚き…
続いては「日本マクドナルド株式会社」に、南浦和への店舗出店の経緯について尋ねてみる。
すると、同社からは「京浜東北線、武蔵野線が乗り入れており、お住いの方が多い南浦和駅の周辺へはマクドナルド創業以来、出店機会を模索しておりました」と、驚きの回答が。そんなにも昔から南浦和を気にかけていたとは…。
日本マクドナルド担当者からは「立地、面積、設備要件などの兼ね合いで、なかなか出店する事ができませんでしたが、今回ご縁があり、様々なご協力を頂きましたことで、初めて出店する事が叶いました」とのコメントも得られたのだ。
さぁ、南浦和東口のマックはいよいよ明日オープンですよ。 pic.twitter.com/IVYaGYOU2M
— Urawacity.net(浦和シティネット) (@urawacity_net) June 29, 2023
また、南浦和東口店・店長からも「地元のお客様から念願のマクドナルドとして、大きなご期待を頂いています。クルー1人1人がお客様を第一に考え、地域のお客様のご期待を超えられる店舗作りを目指してまいります」と、気概を感じさせるメッセージが。
地域の人々の声に真摯に耳を傾け、企業努力を怠らないこうした姿勢こそ、マクドナルドが多くの人々に愛され続ける最大の強みであろう。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)