「関西人は納豆嫌い」説、本当にある? ミツカンが明かす現地の“販売事情”に耳を疑う…

7月10日は「納豆の日」。納豆に関する有名な「関西人は納豆嫌い」説を検証した。

2023/07/10 04:15

納豆

本日、7月10日は「納豆の日」。納豆といえば、「関西人は納豆が嫌い」という噂を耳にしたことがないだろうか。ひと昔前は、スーパーの棚に納豆が全然並んでいなかった…とも聞く。

現在も関西で納豆は敬遠されているのか、取材してみると──。

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■大阪出身の男性は「大好き」と回答

納豆

「納豆の日」が初めて制定されたのは、1981年のこと。背景には、関西地方で納豆の消費量が伸び悩んでいたことがある。

納豆の消費量を上げるため、関西納豆工業協同組合が関西限定の記念日として制定。その後、全国納豆協同組合が7月10日を「納豆の日」と定めたことで、全国の記念日になったのだ。

このエピソードを聞く限り、「関西人は納豆嫌い」と思ってしまうが、大阪出身の30代男性のAさんはこの説をやんわり否定する。

「たまに聞かれますが、僕は納豆が大好きで週3回は食べてます。スーパーにも普通に並んでいます。もちろん、苦手な人もいますが、地元の友人でも好きな人のほうが多い印象です。関東の人と比べても大きな差はないと思いますよ」(Aさん)。

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■気になる関西の納豆事情

「関西人は納豆嫌い」説を明らかにするため、「金のつぶ」でおなじみのミツカンに話を聞いた。ミツカンの広報担当者は、全国納豆協同組合連合会のリサーチデータ「納豆に関する調査」(2007~2021年)のデータを参照しつつ、こう話す。

「納豆を食べない理由のアンケート調査『納豆を食べない理由』(全国平均と京阪神の比較)では、京阪神で『臭いが嫌い』『昔から食べる習慣がない』と回答した人が全国平均よりも多いです。また、当社の商品に限ってしまいますが、エリア別で100人あたりが納豆にかける購入金額は、2011年時点では全国平均と京阪神に2,763円分の差がありました。ですが、徐々にその差は縮まっていて、2021年は全国平均との差は2,134円になっています」(広報担当者)。

つまり、苦手な人はやや多いものの、関西でも納豆を購入する人が増えているということだ。


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■食べる人が増えた背景は…

なぜ、関西で納豆の消費金額が増えているのか。前出の広報担当者は、納豆がひと昔前に比べて進化していることが背景にあるのではないかと推察する。

「かつては、だし醤油で食べる定番の納豆が多かったですが、最近は納豆コーナーに行くと、たまご醤油味や梅風味の納豆などバリエーションに富んだ味が発売されています。こうした商品の中には、たれの香りや味わいが強く、納豆特有の臭いがしにくいものもあるので、『納豆は苦手だったけど、この商品なら食べられる』という方も出てきたのではないでしょうか」(前出・広報担当者)。

たしかに、最近は納豆の臭いを軽減した商品も多い。これまで臭いを理由に避けていた人も、食べるようになったのかもしれない。

また、前出の広報担当者は、「関西に限った話ではありませんが、納豆に関する健康情報のメディア露出があると全国的に納豆の売れ行きは良くなる傾向にございます」と補足する。

納豆を食べるメリットが広く知れ渡ったことも、関西の納豆人気を押し上げた理由の一つかもしれない。


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■関西限定の納豆も

納豆の種類が増えているだけでなく、関西でも、納豆かけご飯専門店や納豆の創作料理店などが人気を誇っている。「関西人は納豆嫌い」説は、ひと昔前はあったかもしれないが、今はもう当てはまらないように思える。

関西の納豆

ミツカンも関西限定の納豆を販売するなど、現地でも力を入れているようで…。

「京阪神、中国、四国、長野県エリア限定で『なっとういち押すだけプシュッ!と超小粒 3P』という商品を販売しています。納豆の気になる臭いを抑えた商品で、長い間ご愛顧いただいております」(前出・広報担当者)。

関西納豆


「納豆の日」である本日から、期間限定商品「金のつぶ うな重納豆3P」が発売される。同商品は、昨年も売れ行きが好調だったが、特に関西地方で好評だったという。

考えられる要因を尋ねたところ、前出の広報担当者からは、「現地の営業担当にヒアリングしたところ、面白いことへのアンテナが敏感な関西の方の『なんで納豆でうな重やねん!』というツッコミを引き出し、関心を持っていただけたことが要因と考えています。このような要因で手に取っていただけることもあるのだと、驚いております」という回答が寄せられている。

関西では、“笑い”のツボを刺激する商品がヒットするのだろうか…。これからも、納豆は関西だけでなく、全国で愛されることだろう。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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