マツダの英語表記がZの理由、これは知らなかった… 「90年前のエピソード」に思わず感動
日本を代表する自動車メーカーのマツダだが、15%の人が「正しい英語表記」を知らないことが判明したのだ。
世の中には「あれ、どっちだったかな…」とおぼろげに記憶してしまう事象が多々あるが、その正式名称が誕生した「背景」を知ると、思わず納得してしまうもの。賢明なる読者には既知の事実として映ったり、「細かすぎるだろ!」とツッコミを入れたくなるケースもあるかと思うが…決して少なくない人々が「誤って記憶している事象」の正体について探っていきたい。
今回取り上げるのは、日本が世界に誇る「自動車メーカー」のロゴマーク、並びに英語表記についてである。
【関連記事】BRIDGESTONEのカタカナ表記、約2割が誤解していた 3文字目に「思わぬ罠」が…
画像をもっと見る
■「マツダ」を英語で書くと…
まず注目したいのが、広島県に本社を置く自動車メーカー「マツダ」に関するアンケート調査の結果。
全国の10〜60代の男女1,000名を対象として「マツダの英語表記」を回答してもらったところ、84.8%が「MAZDA」、15.2%が「MATSUDA」を選択していたのだ。
ヘボン式ローマ字を意識すると「MATSUDA」表記が正しく感じられるが、同社の英語表記は「MAZDA」が正解である。
ちなみに年代別の回答結果を見ると、40〜50代はいずれも9割以上が「MAZDA」表記で正しく認識していた。一方で、10〜20代は正答率が7割未満と、世代によって認知度が微妙に異なる印象を受ける。
そこで今回は、こちらの「特殊な英語表記」の背景をめぐって「マツダ株式会社」に、詳しい話を聞いてみることに。すると「Z」の文字が象徴する、じつに意外なエピソードが明らかになったのだ。
■当初は「マツダ」要素の無い社名だったが…
100年以上の歴史を持つ同社の歩みについて、マツダ担当者は「1920年(大正9年)に広島で創立した『東洋コルク工業株式会社』は『工業で社会に貢献する』というフレーズを合言葉とし、工作機械やさく岩機、自動車分野へ進出し事業の拡大を図りました」「1927年(昭和2年)には『東洋工業株式会社』へと社名を変更し、1931年(昭和6年)には初の三輪トラック『マツダ号』DA型を発売しました」と、説明する。
社名がこちらの製品名と同じ「マツダ株式会社」となったのは、1984年(昭和59年)のこと。実質的な創業者・松田重次郎の名字に因んで命名されたものだが、じつはなんとも粋な「ダブルミーニング」になっていると判明したのだ。
■「Z」にそんな大切な要素が…!
マツダ担当者は、もう1つの由来について「西アジアでの人類文明発祥とともに誕生した神、アフラ・マズダー(Ahura Mazda)に由来しています」と説明。
こちらを踏まえ、「叡智・理性・調和の神であるアフラ・マズダーを、東西文明の源泉的シンボルかつ自動車文明の始原的シンボルとして捉え、世界平和を希求して自動車産業の光明となることを願い、『マツダ』と名付けられました」と、製品名・社名に込めた思いを力説している。
さらに担当者は、今回の調査結果を受けて「幅広い年齢層の方々に社名を認知頂いていることを、嬉しく思います。今後もマツダブランドやマツダ車を、多くの方々に知って頂けるよう、取り組んで参ります」と、自社の展望を熱く語ってくれたのだ。
今回のように細かい部分の表記で、多くの人が誤解していそうな商品名・企業名・チェーン名等があれば、ぜひSirabee編集部に情報を寄せてほしい。日常に隠れている小さな『気になる』の謎を共に解き明かそう。
・合わせて読みたい→日本人の6割超、Canonカタカナ表記を誤解していた じつは「キャノン」は誤りで…
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)