バードストライクの血を浴びても操縦しきったパイロット 冷静さに称賛の声
巨大な鳥が飛行機のフロントガラスに激突した。血しぶきを浴びてもなお、冷静に対応したパイロットに称賛が相次いだ。
飛行機が「世界一安全な乗り物」と言われていることを、ご存じだろうか。ところがひとたび事故が起きれば、大惨事となってしまう。
このたび、あるパイロットが不運すぎるアクシデントに見舞われたことを、アメリカの『NEW YORK POST』やシンガポールの『AsiaOne』が報じている。
■巨大な鳥がフロントガラスに
「とんでもない事故を経験しました」と嘆いているのは、エクアドル在住のパイロットであるアリエル・ヴァリエンテさんだ。
ある日、農薬散布機のためロス・リオス州のビンセス上空を飛行していたところ、アンデスコンドルと呼ばれる鳥が飛行機のフロントガラスに激突した。
アンデスコンドルは体長1メートル以上、体重は11~15キロほどで、羽を広げると3メートルにもなるそうだ。
■鳥の遺体が天井から…
そんな巨大な鳥が猛スピードで衝突したため、飛行機の窓ガラスは砕け散り、アリエルさんは血しぶきを浴びてしまった。目の前の天井からぶら下がった鳥の遺体を、急いで携帯電話で撮影したものの、冷静に対応して着陸も成功している。
ツイッターに投稿された手に汗握る緊迫した動画に、世間の人々は「ホラー映画だ」「自分だったらパニックになっちゃう」などとコメント。その悲惨さに戸惑いを隠せない様子だ。
■「初期研修が大切になる」
アリエルさんはメディアの取材に「こうした緊急事態の時は、自然と最初に指導されたことを思い出すんです。初期研修が最も大切になります」と話している。
パイロットたちは研修で「飛行、航行、通信」の3原則に従うようにと、徹底して教えられるそうだ。まずは飛行機を安全に操縦し、航行を続け、もしも緊急事態が発生したら、管制官に正確に伝えることを使命としているのだという。
■「パイロットのすごさを改めて知った」
さらに「アリエルさんの落ち着いた態度が素晴らしい」「何が起こっても、冷静さを保たなければならない難しい仕事。改めてすごさを知った」など、パイロットを称賛する声も続出している。
アメリカの運輸安全委員会(NTSB)の調査によると、航空機に乗って死亡する確率は、0.0009パーセントとのこと。これは、安全を守るための機体整備、そしてパイロットの冷静さのおかげだろう。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)