台湾有事に米国の有力シンクタンクが警告 “日本の協力”なしに米国は中国に立ち向かえない
米国の有力シンクタンク外交問題評議会が恐るべき報告書を公開。台湾有事では日本の協力が必須で…。
米国のシンクタンク外交問題評議会が20日、台湾有事の際の対応についての報告書を発表した。報告書の長さは150ページにも及び、米軍制服組トップを務めた防衛専門家や研究者などが共同で報告書を作成した。
■米軍単独では中国に対処できない
その中で報告書は仮に台湾有事が発生すれば、米軍は軍事侵攻してくる人民解放軍に対して単独では抑えきれず、日本の協力がなければならないと警鐘を鳴らした。
また、中国経済が減速するほど有事のリスクが高まるとし、今後の行方に懸念を示した。外交問題評議会は世界でも有数の歴史と権威を持つシンクタンクであり、そのシンクタンクがこういった報告書を発表した意味は重い。
■自衛隊が人民解放軍と武器を交えるのか
報告書は日本の協力としているが、それは自衛隊が米軍や台湾軍と協力し、中国軍と戦うことを意味する。
このシナリオで考えられるのは、まず沖縄本島が第二次世界大戦以来、戦場になる恐れである。台湾有事の際、台湾へ駆けつける米軍の出発地点は地理的にも沖縄に駐留する米軍となるが、そうなれば中国軍が米軍基地を攻撃することは想像に難くない。
しかし、それは同時に日本の領土が他国から攻撃を受けたということになり、日本も戦争に巻き込まれることになる。これが台湾有事は日本有事と言われるゆえんである。
自衛隊が台湾防衛で最前線で戦うことはないが、このシナリオになれば台湾防衛をする余裕はなくなり、如何に南西諸島を守るかが焦点となるだろう。日中軍事衝突、その可能性をこの報告書は示しているのだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)