梅雨時の頭痛、ついやりがちな「あの習慣」はNGだった 医師も注意を促して…
梅雨時になると片頭痛に悩む人も多い。日頃の習慣で気を付けるべきことを医師に聞いてみると…。
各地で梅雨入りし、不安定な天気が続いている。雨の日、頭が痛くなる人も少なくないのでは。
梅雨時、頭痛対策に関して、やってはいけない「習慣」があって…。
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■梅雨時に悩む人が多い「片頭痛」
過去のウェザーニューズの調査によれば、梅雨の時期に体に不調が出る人は42%。特に、ズキンズキンと脈打つような痛みが起こる「片頭痛」を訴える人が多いという。
片頭痛の人は全国に1,000万人以上いると言われているが、明白な原因や対処法が分かりくい。ただ、気圧や湿度の影響を受けて、梅雨時になると頭が痛くなる人も多いようだ。
記者も片頭痛持ちだが、今の時期は朝起きた瞬間から頭がズキズキ痛むことも少なくない。
■片頭痛を誘発する原因も…
医学博士、循環器内科専門医で、DIOクリニックを運営する医療法人理事長の藤井崇博氏も、気圧の変化による頭痛は論文でも報告されていると指摘する。ただ、片頭痛を誘発する原因はいくつかあり、それらを避けるだけでも重症化するのを防げるという。
「ストレス、空腹や断食、香水などの匂い、首の痛み、明るい光、アルコールなどが挙げられます。強い日差しには、サングラスを着用するのもおすすめです。また、喧騒な場所から距離を置くことも片頭痛予防には効果的です」(藤井氏)。
ストレスを避けるのは難しいが、強い光がある場所から離れたり、お酒を控えるといった対策はできそうだ。藤井氏によれば、適度なカフェインを摂取するのも有効だという。
「カフェインには血管の収縮作用があることで知られています。軽度の片頭痛であれば、コーヒーなどのカフェイン飲料を飲むことで症状が落ち着くことも多いでしょう。ただ、飲みすぎると逆にカフェインによる頭痛を引き起こすことがあるので注意が必要です」(前出・藤井氏)。
少し痛みを感じる程度であれば、コーヒーや紅茶を1杯飲むのもいいかもしれない。
■ついやりがちな「NG習慣」
「頭痛の時は風呂に入ったほうがいい」──。頭の痛みを訴えた際、両親や友人からこんなアドバイスを受けたこともあるのでは。
前出の藤井氏は、「風呂に入ることは睡眠不足やストレス改善などには効果的」と前置きしつつ、片頭痛の際は注意が必要だと話す。
「片頭痛の場合、血流が良くなることで痛みが増幅します。お風呂で血流が良くなることで、片頭痛を悪化させる可能性もあります。一方で、デスクワークなど同じ姿勢でいることで首、肩などの筋肉が硬直して頭痛を引き起こす『緊張型頭痛』に関しては、お風呂で温まり、血行が良くなると疲労物質が流れ、筋肉の緊張もほぐれるため、症状が改善すると考えられます」(前出・藤井氏)。
緊張型頭痛は、人によって多少症状は異なるものの、肩や首のこりを伴い、頭を締め付けるような痛みが特徴。先述したような、頭がズキズキ痛む片頭痛とは異なるので、自分の症状がどちらに近いか見極めたほうがいいだろう。
■市販薬でも症状が改善しない時は…
頭痛が生じた場合、市販の頭痛薬を飲むことも有効だ。ただ、人によっては市販薬では症状が改善されないこともある。そんな時はどうすればいいのか。
「片頭痛の薬には、市販薬として販売されていない薬も多くあります。市販薬等でコントロールが難しい場合は、医療機関を受診し、診断・治療を行っていくのが安全かつ症状が改善するのも早いと思います」(前出・藤井氏)。
ひどい痛みが続くようであれば、病院で診断を受けるのが適切かもしれない。まだまだ不安定な天気が続くが、片頭痛と上手く付き合ってほしい。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人 取材協力/<a href="https://dioclinic.jp/">医学博士、循環器内科専門医で、DIOクリニックを運営する医療法人理事長の藤井崇博氏)