「死んだはず」の女性が通夜で棺を内側から叩く 脳卒中で死亡宣告から8時間後

脳卒中で病院に運び込まれた女性は、その3時間後に死亡宣告を受け、「遺体」は自宅へと戻された。しかし通夜の最中、棺を内側から叩く音が…。

2023/06/17 07:30

棺桶

病院で死亡宣告されると、遺族は葬儀の準備に奔走し、故人は死装束に着替えさせられ、やがて棺に納められる。そんななかエクアドルでは、通夜の最中に「死んだはず」の女性が覚醒したことから、大きな騒動となっている。

ニュージーランドの『STUFF News』、アメリカの『NEW YORK POST』、イギリスの『The Sun』『Mail Online』ほか、世界中のメディアが驚きの動画とともに報じている。


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■脳卒中で倒れた女性に死亡宣告

エクアドルのババオヨ県(Babahoyo)で9日午前9時頃、ベラ・モントーヤさんという76歳の女性が脳卒中を起こして倒れ、マルティン・イカサ病院に運び込まれた。

病院の医師は、同日の正午に死亡を宣告。遺体は自宅に搬送され、美しい布にくるんで棺に納められ、親族が集まると葬儀の準備が始まった。

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■棺をコツンコツンと叩く音が

死亡宣告から8時間が経過した9日の午後8時50分、なんとベラさんは通夜の真っ最中に棺をコツンコツンと叩き、自分が生きていることを知らせた。

呼吸のため口や顎を動かしているベラさんに誰もが仰天し、息子のジルベルト・バルベラさんはその額に手を当てた。すると体温があることを感じ、家族でベラさんをマルティン・イカサ病院へ戻すと、ただちに検査を要求したのだった。


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■集中治療室に戻され再び治療へ

このたびの件に関し、ジルベルトさんはメディアの取材に「私たち全員が強い恐怖を覚えました。母は今、病院の集中治療室におり、脳卒中その他の治療を再び受けています」と答えている。

医師は家族に「状況は依然として厳しい」と説明したというが、死亡宣告により治療が中断されたことのダメージは測り知れない。診断ミスがあったなら、その責任を強く問われる一件だ。


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■死亡宣告の手順はあいまい

一方、ババオヨ県もエクアドル保健省もこの件を非常に重くとらえ、担当医の当時の診断、あるいは普段の死亡宣告の方法などについて立ち入り調査を実施。すると、正しい手順を示すものが何ら存在しないことがわかったという。

それを受け、エクアドル保健省は「すべての病院を対象に、死亡の診断および宣告についての正しい手順を示すマニュアル作りが重要だと判断し、その準備委員会を設立しました」と発表した。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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