阪神タイガース、9連勝・快進撃の理由 岡田彰布監督の開幕前“一手”とは

阪神タイガースの快進撃が止まらない。掛布雅之氏との対談の中で、岡田彰布監督が開幕前に選手のやる気を引き出す“あること”を行っていた。

岡田彰布

18年ぶりのセ・リーグ制覇に向け、首位を走る阪神タイガースの足取りは力強い。投打の歯車がかみ合い、今季は2007年以来となる9連勝をマークする一方、ここまで一度も3連敗がない。

強いリーダーシップでチームを率いる岡田彰布監督が、選手のやる気を引き出す“一手”を開幕前に打っていたことが分かった。


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■岡田監督「開幕前日に球団に…」

球団OBで野球解説者の掛布雅之氏と対談した、YouTubeチャンネル『虎バン 阪神応援チャンネル ABCテレビ公式』の中で明らかにした。

「1番ビックリしている数字はフォアボールの数なんですよ。これは監督がキャンプあたりからバッターに言っていたのか、ボールを見極めろとか」。掛布氏の質問に、岡田監督は、にやりと笑ってこたえた。

「いや、(オープン戦などで)ボール球を振って凡退することが多かったので、開幕前日に球団に言うたんです。フォアボールの(査定)ポイントを上げてくれと」。球団の了承を得て、四球の査定ポイントは従来から0.2アップしたという。

「ミーティングで(ポイントアップを)選手に言うたんですよ。競ってるときのフォアボールはヒットと一緒だから。1ポイントが1.2ポイントになるだけで、あんなにフォアボール増えるんだと……」。苦笑いする岡田監督に、掛布氏も大きくうなずいた。

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■若い選手陣

阪神の四球数は12球団トップの205だ。選手別に見ると、1番近本光司が38個、2番中野拓夢が28個で、4番大山悠輔でさえ35個も選んでいる。

「選手が若いしね。勝つことで自信をつけて徐々にチーム力が上がっていけばいいと考えていたが、思ったよりも(成長が)早い。状況判断がもの凄くできるようになったのも大きいし、後半に入って同点とかで競ってくる中での自分の役割というか、それがフォアボールにもつながっている」と岡田監督。


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■リーグトップ防御率2.78

広い甲子園球場を本拠地にしていることもあり、チーム本塁打数は中日ドラゴンズの24本に次いで少ない30本だが、総得点は両リーグトップの225だ。リーグトップの防御率2.78を誇る投手陣を支える攻撃陣。

小型でも「四球」という電気を動力源にしたモーターで走行するEV車のように、阪神は安定感抜群の走りを見せている。(成績は6月9日現在)


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■執筆者プロフィール

前嶋光太郎:1970年島根県出身。幼い頃からスポーツや芸能の世界に興味を持ち、高校ではミスタータイガース・掛布雅之氏にあこがれて甲子園を目指した。

大学卒業後は新聞社に就職。警察や行政などを担当した後、スポーツ記者として野球やゴルフ、テニスなどを中心に取材。

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の取材が転機となり、プロ野球の魅力を伝えたいと2010年にフリーへ転身した。現在は大阪を拠点に、しばらく中断していた執筆活動を2022年末から再開している。

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(取材・文/Sirabee 編集部・前嶋光太郎

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