台湾YouTuberの「日本の超まずい飲食店」動画が“国際的”炎上 台湾人は騒動をどう見たか

台湾人YouTuberが日本の外食チェーンをこき下ろし炎上。台湾人は今回の騒動を見て心を痛めていた…。

「蔡阿嘎」YouTubeチャンネルのスクリーンショット

台湾のYouTuber・蔡阿嘎が4日にアップした「日本の超まずい外食チェーン5選」なる動画が日本で大炎上。動画を削除し、謝罪動画をアップしたがその後も批判の声が止まっていない。この騒動を見た台北に住む台湾人はどう感じたのか、聞いた。

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■人気チェーン店で無断ロケ

「日本のまずいレストランを紹介する。本当にクソマズいです」「なぜこんなマズいのか理解できない」と時折嘲笑を浮かべる蔡阿嘎。彼はチャンネル登録者数253万人という台湾屈指の人気YouTuberだが、今回アップした動画は、日本で吉野家、富士そば、デニーズ、ケンタッキーフライドチキン(KFC)、なか卯をこき下ろす内容だった。

店内外で「まずい!」と大声を張り上げての無断撮影、店頭で立ったままのテイクアウト試食などもあり、配信後はその内容に加え、撮影マナーについても批判の声が飛び交い、台湾、日本で炎上した。

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■動画は削除され、謝罪に…

その状況を受け蔡阿嘎は動画を削除し、4日には謝罪動画をアップ。

「レストラン・飲食店とお客様に心からお詫び申し上げます」「私たちはこのお詫びと改善によって過ちを償い、お店や皆様にさらなる被害を与えることのないよう願っております」と日本語のメッセージも添えた。

最後は、「今後は、動画撮影に関する事項についてより注意を払い、虚心に反省をしてまいります。また、多くのユーザーや関係者の皆様から頂いた貴重なご批判やアドバイスに対し、心から感謝申し上げます。」と炎上したことについて触れ、反省する様子を見せている。


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■「残念だな」「悲しい」の声

味の批評は人それぞれなので仕方がない部分もあるが、わざわざ悪口グルメロケをするため日本に来た、という構図が炎上に拍車をかけた今回の騒動。

日本人ユーザーからは「誰も幸せにならない」「台湾好きだったのになんか残念だな」「悲しいね」と落胆の声のほか、「美味しい店を今度はとりあげて」「ホントはうまいだろ また来いよ」「味覚の違うはやっぱあるのかな」と優しく諭す声も散見されている。


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■台湾人は「優れた料理ばかり」

一方で台湾ユーザーからは「恥を知れ」「日本人に土下座しろ」「日本を傷つけ、台湾も傷つけた」とより辛辣な声が目立つ。

台北に住むネットに詳しいジャーナリストであるフランク・リンさんに話を聞くと「彼は影響力の強いYouTuberとあり、今回の騒動は台湾でも圧倒的に非難されています。私も日本が好きだから非常に残念」と感想を述べる。

「日本の外食チェーン店は、価格と品質バランスに優れた料理ばかり。私は牛丼が大好きなので、日本に行った際は吉野家やなか卯、松屋など大手チェーンはすべて食べてきました。個人的なお気に入りは松屋とすき家です。今回、蔡阿嘎がディスったKFCは台湾にもある。私は食べてきませんでしたが、日本のクリスマスに行列している様子を見ると一度食べてみたいと感じさせる。それが普通の台湾人の感覚です」と続け、騒動の収束を願った。

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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤

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