『金糸雀』はなんと読む? 炭鉱で毒ガスの検知に使われていた過去も…

美しいさえずりが止まったら、危険なガスが発生したサインだとも…。

2023/06/04 19:00

カナリア

美しい声でさえずる、鮮やかな黄色い羽根色のあの鳥とは…。


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■「金糸雀」は何と読む?

Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「金糸雀」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で84.8%の人が「かなりあ」、15.2%の人が「かっこう」と読むと回答した。

金糸雀

「かなりあ」と読む人は男性が83.5%で女性が86.0%。「かっこう」と読む人は、男性が16.5%、女性は14.0%という結果に。

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■正しくは「かなりあ」

「金糸雀」の正しい読み方は、「かなりあ」。アトリ科に分類される小鳥で、大きさは翼長20-23cm、体長約12.5cm、体重15-20g 程度のものが多いようだ。

その名は、原産のひとつであるアフリカ北西部のカナリア諸島に由来し、ポルトガル語やスペイン語の「canaria」が訛ったものだというが、「canaria」はラテン語で「犬」を意味する「canis」に由来しているとも言われている。


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■毒ガスを検知する炭鉱のカナリア

日本へは江戸時代にオランダ人により長崎へもたらされ、姿形やさえずりの美しさから、たちまち人気となり広く飼われるようになっていった。そんなかわいらしいカナリアだが、毒ガスの検知に使われていたという悲しい歴史もある。

その毒物に敏感な性質を利用し、窒息ガスや毒ガスを早期に発見するための警報として使用されていたというのだ。つねにさえずっているカナリアが異常を感じ取って鳴くのを止めると、そこには毒ガスなどの危険がことがわかるというもの。イギリスの炭鉱ではこうした方法による危険察知システムが1987年まで採用されていたという。


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■「かっこう」の漢字は「郭公」

「かっこう」は「郭公」と書く。カッコウ目カッコウ科に分類される鳥で、カッコウ科だけで約150種いる。和名の「かっこう」は鳴き声に由来しているが、中国語の「郭公」、英語の「cuckoo」、フランス語の「coucou」など、世界中で同様に鳴き声からその名が付けられているという。

そんな特徴的な声で鳴くカッコウだが、古来より日本人はその鳴き声に物寂しさを感じていたようだ。カッコウの別名である「閑古鳥」を用いて、さびれたさまを表すときに「閑古鳥が鳴く」という表現を使うことがある。人里離れた山の中に響く鳴き声が寂しげに聞こえるという感覚は、いまも昔も同じなのかもしれない。

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(取材・文/Sirabee 編集部・ゆきのすけ

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年2月17日~2023年2月20日
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)

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