自宅火災から愛犬を救おうとした60代女性が死亡 家族の制止も聞かず炎の中へ…
自宅が火災に見舞われた女性が、愛犬を助けようと家族が止めるのも聞かずに炎の中に飛び込み、命を落としてしまった。
火災が起き自宅が激しい炎に包まれたとき、せめて家族は全員無事でいてほしいもの。そして犬も大切な家族だ。このほどアメリカで、愛犬家の女性が火災から飼い犬を救おうとして命を落としてしまった。
悲しい話題を『PIX11 NEWS』『PEOPLE』などが報じている。
■民家で未明に火災
23日の午前3時過ぎ、ニューヨーク州ロングアイランドのウィリストンパークという町で2階建ての民家から出火し、通報を受けた地元の消防署は、緊急車両をただちに出動させた。
消防署はその後、この火災でカシミラ・パテルさんという60歳の女性1人が死亡し、20代から60代の成人7人が煙を吸い込むなどして病院に搬送されたことを発表している。
■愛犬が心配でたまらず…
火災の発生に気づいた人々は助け合いながら家の外に出たが、飼い犬の姿が見えないことに気づいた。悔しさを押し殺しつつ、「危険だから決して家に入ってはならない」と互いに声を掛け合っていたという。
だがカシミラさんは、それを振り切って家の中に戻ってしまった。わが子のようにかわいがってきた愛犬が炎を前に動けなくなっている様子を想像し、強く動揺していたことがわかっている。
■家主の死亡で親族が集合
ナッソー郡消防局によれば、カシミラさんは鎮火後に自宅の内部で遺体となって発見された。捜索はドローンを使用して行われたと説明している。
なお、先週に家主が死亡したことから、葬儀のため親族数名がこの家に集まっていたなかで火災は発生した。出火原因の特定を急いでいるが、放火を思わせるような不審な点は確認できていないという。
■鎮火まで1時間半を要す
カシミラさんの姪のブミ・パテルさんは、鎮火まで1時間半を要したことについて、地元メディア『PIX11』に「消火開始が遅かったんです。『中に人間がいるから早く』と何度も訴えているのに、とにかくモタモタと…」と消防隊員を強く批判した。
これに対し、ナッソー郡消防局は「現場にはただちに到着しましたが、消火栓の故障と活線の不具合がわかり、消火活動をなかなか始められませんでした」と説明しているという。
「まだ助けられる」と感じる状況でも、煙を吸って一酸化炭素中毒や窒息が起きれば、人はたちまち動けなくなる。火災にあってしまった場合に備え、このことを必ず覚えておきたい。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)