阪神・岡田彰布監督は「選手では戦ってない」 高木豊氏がその手腕を解説
好調の阪神タイガース・岡田彰布監督の戦術について高木豊氏が解説。ファンからも「恐ろしいくらいの策士」との声が。
■好調ぶりに「落ち着いて見れる」
岡田監督の就任が決まったときから「手腕はすごいし、ベンチワークも見てて面白い」と高く評価していた高木氏。
現在、セ・リーグ首位を走る好調ぶりに、「ドシッとしてるよね。負けても勝っても、あんまり喜怒哀楽というか、大きく振れることはないよね。『まだまだ先があるから』みたいな…。余裕を感じるんだよ。非常に落ち着いて見れるよね」と改めて評価する。
さらに、「『えっ、もう守備固め行くの?』みたいなところから、守備に入った選手がファインプレーしたり、勝負勘というのはいい人。慌ててないし余裕を感じる。周りが騒ぐほど心は浮かれてない。終わってみて勝てばいいと、そういうことが読み取れる」と説明する。
■「選手では戦ってない」
そのベンチワークについて、「相手がどう動いてくるかというのを、よく観察してるし、考察してる。見てて面白いんだよ。『ここでくるか。さすがの一手を打ってくるな…』みたいな。将棋で言えば、ここで打ってくるんだっていう感じだよ」と感心。
「岡田監督はどちらかというと、選手では戦ってない。いろんな監督を見てきたけど『選手がいない』とか、こういう(言い訳をする)監督が一番ダメ。このチームのベストは何なんだ、このメンバーを使ったときのベストはどう戦えばいいんだ、ということを考える。そういう考え方をできる人だよね。本当に味があるよ」と話した。
■実際の采配を解説
岡田監督が今月20日の広島東洋カープとの試合で、大竹耕太郎投手の後に岩貞祐太投手、岩崎優投手と左ピッチャーを並べたことについて振り返り、「なんでか分かる? 代打松山(竜平選手)を出さないため」とニヤリ。
「普通、大竹が投げてて左・左はいかないじゃない? 全員左だから。岡田監督は何が嫌だったかって、代打松山が嫌だった。だからあえて準備もさせないように左、左を持っていった」と解説すると、「そういうことを深く感じながら見てると、岡田監督ってじつに面白い。賢いよな」と語っていた。
■ファンも「隙がない」「恐ろしいくらいの策士」
岡田監督の采配に、ファンからも「経験値がすごいし、先を見据えてるからバタバタしない。首位にしても隙がない。勝負勘素晴らしい」「岡田監督の趣味は将棋と聞いてます。駒の使い方、相手の出方を見ることに長けているのでは」「岡田監督は本当に野球が好きなのでしょうね。見た目は好々爺のようなのに、じつは恐ろしいくらいの策士というギャップも魅力です」といった声があがった。
また、高木氏による戦術の解説に「何で左左なの? って思ってました。松山を出さないためなんて想像すらしてなかった」「選手の動きばかり見てましたが、采配にもそういう深みがあるのか。次からは野球が別の角度からも見れる気がします」「岡田采配の考察、シリーズ化してほしいです! 面白すぎる」とのコメントも届いている。