スクールバス運転士が失神し中1男子がハンドル握る 交差点を曲がり無事停止
失神したスクールバスの運転士は一命をとりとめ、回復に向かっている。運転を代わった少年には「あのときはありがとう。感謝しています」というメールが送られてきた。
大勢の人を乗せて走行しているバスの運転士が、急な体調不良に襲われるということが、洋の東西を問わず起きている。
アメリカで、あわやという事態に陥ったスクールバスを13歳の少年が無事停止させたことを、『Fox2 DETROIT News』『PEOPLE』などが報じた。
■4列目に座っていた男子が気づく
アクシデントは4月27日、ミシガン州ウォーレン市の道路で発生。ロイス・E・カーター中学校の生徒約60名を乗せたスクールバスにおいて、女性の運転士が突然気を失い、走行がおかしくなった。
それにいち早く気づき運転席に駆け寄ってハンドルを握ったのは、4列目に座っていた中学1年生のディロン・リーヴズくん(13)だった。
■ハンドル操作にエアブレーキも
バスが縁石を乗り越えれば芝生に入り、横転なども免れなくなる。ディロンくんは交差点で必死にハンドルを切り、エアブレーキを使いながら、何とかバスを停止させた。
バスでは比較的前方の席に乗り、運転の方法を普段から注意深く見ていたため、ディロンくんは「どうやってブレーキをかけるのか、いつのまにか把握していた」という。
■市長に表彰される
ウォーレン市の警察署と消防署、そしてジェームス・R・ファウツ市長は、「この少年の勇気ととっさの行動がなければ、おそらくスクールバスは大変な事故を起こすところでした」と述べ、このたびディロンくんを表彰した。
13歳では運転免許証は持っておらず、エンジンがかかっているハンドルを握ることはご法度だ。だが大勢の命を救ったことの意義は大きく、ディロンくんを無条件で褒めたたえ、市の「ジュニア刑事」として認定した。
■運転士からもお礼のメール
このたび『PEOPLE』の取材に応じたディロンくんは、「どうも運転がおかしいと感じ、運転士を見てみました。すると、目を閉じて頭を垂れ、手はハンドルから落ち、足はペダルから離れていて…大変なことが起きたとすぐにわかりました」と話している。
幸い運転士も一命をとりとめ、回復に向かっている。その後、ディロンくんの家庭に「あのとき彼が乗っていてくれて、本当によかった。心から感謝しています」というメールが送られてきたという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)