韓国を訪問した岸田文雄首相 それを異例のおもてなしで迎えたユン大統領
3月下旬の東京での日韓会談からわずか50日あまり。今度は岸田首相が訪韓して日韓会談。なぜ日韓は今になって関係改善を急ぐのか。
■ソウルでの日韓会談
3月下旬の東京での日韓会談からわずか50日あまりでの再会となったが、前回の日韓首脳会談では岸田首相がユン大統領を二次会まで招待する“はしご飲み”でもてなしたが、今回はユン大統領が自らの自宅(大統領官邸)に岸田首相を招待し、高級プルコギや慶州産地酒などでもてなした。
今回の会談では、ユン大統領は「歴史問題が解決していなければ未来の関係発展に踏み出せないという従来の考えはあってはならない」との認識を示した。
これは歴史問題など日本を良く思わない韓国市民からするとあり得ない主張となり、今後のユン政権の支持率低下に繋がる可能性もあるが、ユン大統領には、「今後の韓国の経済や安全保障の安定を考えれば、日本と関係を強化するしかない」、「日本との接近で支持率が低下しても、いつか分かるときが来るだろう」との思いがある。
■ユン大統領が日本を重視する理由
ユン大統領が日本を重視する理由はいくつがあろうが、最近韓国と中国との関係が悪化している。
ユン大統領が米国や日本との関係を重視すれば、中国が反発することは想像に難くないが、4月にユン大統領がホワイトハウスを訪問した際、バイデン大統領は国賓級待遇でもてなし、両者は台湾海峡の安定の重要性を共有した。
中国からすれば“米国が緊張を煽っている”となるのだが、ユン大統領が米国と足並みを揃えたことに中国は苛立っている。韓国が国力で中国に勝てるわけがないので、ユン大統領としては対中国で仲間を見つけ、結束を強化する必要があるのだ。
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(取材・文/セレソン 田中)