親に暴力をふるった経験者は… 「親から暴力を受けた子供」では8倍に
改正児童虐待防止法が施行された後も子供が命を落とす虐待事件が後をたたない。一方で「子供から親」への暴力は?
■「親から子」は3割強
Sirabee編集部が、1月18日〜21日にかけて全国10〜60代男女1,000名を対象に調査したところ、34.9%の人が親から暴力を受けた経験があると回答している。
一方で、「親から子」ではなく「子供から親」への暴力の実態はどうなっているのだろうか。
■「子から親への暴力」は1割
Sirabee編集部が、1月18〜21日にかけて、全国10〜60代男女1,000名を対象に調査したところ、全体の10.7%が「親に暴力をふるった経験がある」と回答した。「親から子」が34.9%だったことと比較すると、その1/3にも満たない限られた割合だ。
儒教の文化も残る日本では、「親に手をあげる」という行為に対しては強いタブー意識があることも影響していると考えられる。
■暴力親は反撃される
暴力という行為だけあって、今回の調査では男女差も顕著に。男性では13.1%が親への暴力を経験しているが、女性では8.4%だった。しかし、女性だからといって親に暴力をふるわないということではなさそうだ。
さらに非常に興味深い傾向が見られたのは、「親からの暴力を受けた経験の有無」だ。親から暴力を受けたことがある人(全体の34.9%)では、親に暴力をふるった経験者が24.9%に及ぶ。
一方、親から暴力を受けたことがない人(65.1%)では、親に手をあげた経験者はわずか3.1%だった。
■連鎖する家庭内暴力
家庭内暴力をふるう親に対して、一定の年齢になって体力が親と近づくと、反撃する子供もいるだろう。
また、親からの長年の暴力によって歪んだ親子関係が、親が暴力がふるわなくなってもいびつなまま残り、積年の恨みや憎しみが成長した子供から親への暴力として降りかかるケースも考えられる。
暴力は連鎖するという可能性が強く示唆されるデータとなった。
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)