救急車で病院に来た女性が車椅子転倒で死亡 ケアスタッフのミスが招いた悲劇
救急車で病院に向かった女性に、使用する車椅子を間違えたか…。ミスを犯した担当スタッフは、その後に解雇処分を受けた。
病院に行くため救急車に乗り込んだものの、到着直後の事故が原因で死亡した女性。ショッキングな出来事について、『The Sun』などイギリスのメディアが伝えている。
■想定外の事故が発生
2021年11月15日のこと、イギリスで暮らしていたアニタ・ウッドフォードさん(66)は、透析を受けに行く目的で救急車を利用した。
アニタさんを乗せた救急車が病院に到着し、ケアアシスタントがアニタさんを車椅子に乗せて院内に運ぼうとしたが、この時まさかのアクシデントが発生した。
車椅子がスロープから転がり落ちて後方に転倒し、アニタさんはその衝撃で頭を地面に強打してしまったのだ。
■脳出血に続き死亡
頭と首を負傷したアニタさんは、そのまま病院でCT検査を受けて一晩入院するはめに。しかし調子は良くならず、事故発生の8日後に再び検査を受けたところ、脳出血を起こしていることが明らかになった。
アニタさんの状態はどんどん悪化し、事故から2週間後にあたる29日に息を引き取った。愛情深く優しかったアニタさんの死に、夫グレアムさんたち遺族は打ちのめされてしまった。
■元スタッフの証言
アニタさんの死因審問に呼ばれたケアアシスタントは事故を振り返り、「自分でも何が起こったのか分かりません」と主張。車椅子がいきなり後ろ向きに倒れたと述べ、「(車椅子を)抱えることはできませんでした」と説明した。
車椅子を運ぶ訓練も十分に受けたことや、「こんなことになるとは思ってもいませんでした」「あの日に利用したのは病院の車椅子でした」とも述べた。
■車椅子を間違えた可能性
救急車に置いてある車椅子以外を使用するリスクについて、搬送サービスを提供する「ERSメディカル」はスタッフに注意してあったとのこと。
しかしケアアシスタントは「病院にある車椅子を使用していました」と話し、他のスタッフも同じであること、他の日もそうしていたが問題はなかったことなどを強調した。
だが事故後に内部調査が慎重に行われ、事故に関わったケアアシスタントは解雇された。もしも使う車椅子を間違えていなければ、アニタさんの死は防げたのかもしれない。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)