故意に急ブレーキかけたスクールバス運転士を起訴 「子供が静かに座っていないから」
「おとなしく座っていて」といくら注意しても聞かない子供たち。スクールバスの運転士は彼らに乱暴な教訓を与え、虐待行為として起訴された。
小学生を相手にする仕事を選ぶとしたら、大声ではしゃぐ元気いっぱいの子供たちをやさしく見守る寛容さ、そして安全を最優先にする意識が必要になる。
アメリカ・コロラド州のあるスクールで、後者を忘れてしまった男がこのほど逮捕された。『local10 News』『KRDO-TV』ほか地元メディアが報じている。
■スクールバス運転士が急ブレーキ
事件は今年3月1日午後、コロラド州コロラドスプリングスにあるキャッスルロック小学校を出発したスクールバスで発生。逮捕されたのは、運転士のブライアン・フィッツジェラルドという61歳の男だった。
そのときバスには幼稚園から小学6年生までの30人が乗っていた。
地元メディアの『KRDO-TV』が車内に設置された防犯カメラの映像を公開しているが、フィッツジェラルド容疑者による故意の急ブレーキで、子供たちが前の席の背もたれに体や顔を強く打ち付けている様子がわかる。
■男の子の母親が当局に通報
女子児童1名が頬から出血して泣き出したが、容疑者はそれを無視。その子の保護者には「座っていなかったせいで、急ブレーキの際に転んだようです」と説明していた。
しかし、窓に頭をぶつけた小学4年生の男の子が、帰宅後に家族にスクールバスで起きた出来事を説明。母親が当局に「わざと急ブレーキを踏んでいた可能性が高い」として通報した。
その男の子は数週間ほど前、氷で滑って脳震とうを起こしていた。頭を再び打ったことで、首と頭に痛みがあることを強く心配しているという。
■座席でじっとしない子供たち
フィッツジェラルド容疑者は反省した様子を見せているが、ダグラス郡教育委員会の調査に対しては「安全のためじっと座っていてほしかった。立ち上がって騒ぐ子供たちに、そういうときに何か起きたらどうなるのか知ってほしかった」と話している。
容疑者は昨年10月に運転士として雇われ、長いこと特別支援学級の子供たちを担当。普通学級を担当するようになってから日が浅く、言うことを聞かない子供たちに頭を抱えていたという。
この件で、身体的損傷を伴う30件の幼児・児童虐待容疑で起訴される予定だ。裁判で有罪判決なら、最大で懲役364日の実刑判決が下るだろうという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)