新藤かなさん、選挙妨害など逆風乗り越え港区議選に初当選 「逆境だからこそ燃えた」
統一地方選告示前から脅迫メールなどの選挙妨害も受けていた新藤かなさんが、東京・港区議選に初当選を決めた。
■大量の脅迫メールも
定数34名に対して57名が立候補する激戦区となった港区議選。ガーシーこと東谷義和容疑者の写真を使った選挙ポスターや「AIの立候補」を訴える候補など、多士済々な顔ぶれで話題を呼んでいた。
中でも新藤さんは、告示前の4月1日から「めった刺しにする」といった具体的な殺害方法まで予告する脅迫メールが大量に届いていたことが複数のメディアに報じられ、大きな注目を集めた。
Sirabee編集部が告示前に独占インタビューした際は、2万通の脅迫メールが届いており、強烈な逆風にもかかわらず立候補を断念せずに当選を果たした形となった。
■落選運動リストにも
脅迫メールの他にも、新藤さんは編集部が確認しただけでも3つの「落選運動」リストに掲載。保守女子を標榜し、ニコニコ生放送で人気配信主であったことなどから、表現の自由をめぐる問題などで一部のフェミニストと対立することもしばしば。
採用する方向で国でも議論が始まった離婚後共同親権への支持や、外国人参政権・選択的夫婦別姓への反対といった保守色の強い政策も、批判を浴びる要因となったと考えられる。
また、2020年に実施された東京都議会議員補欠選挙にホリエモン新党から立候補した新藤さんは、、「アベノマスク」をブラジャーのようにした選挙ポスターが物議を醸したことも。
ただ、たとえそうであっても、暴力による選挙妨害は民主主義への重大な挑戦だ。
■投票率が大幅アップ
23区の中でも、早々に議席が確定した品川区などと比べてかなり開票作業が遅れた港区では、深夜0時過ぎに大勢が判明。2回目の中間発表で当選が確実となり、しかも上位当選の可能性が高くなったことで陣営には拍手喝采が湧いた。
選挙については、「投票率が37%台と、前回から4ポイント近く上がっていることもよかった」と総括し、「これからも言いたいことは言っていく。とくに動物愛護関連の政策については積極的に取り組んでいきたい」と意気込みを述べた。
■逆境だからこそ燃えた
港区内の会場で選対メンバーと開票状況を見ながらSirabee編集部の独占取材に答えた新藤さん。
事前の妨害活動がありながらも「選挙戦が始まると街も選挙モードになり、警察やボランティアの方も協力してくれたので安心して戦うことができた」と語る。
また、「『逆境こそチャンス』じゃないですが、『やってやるぞ』という思いはありましたね」と振り返った。
選挙戦の間、同じく新人で当選を決めた斎木陽平候補とSNSで議論を戦わせる一幕も。
「斎木さんは、私のドッグラン計画に賛成してくれていますし、私も斎木さんが掲げる子育て支援の所得制限撤廃には賛成しています」と、議会では意見の近い議員と会派を組み、是々非々で課題に取り組む姿勢を見せた。