職場で目にした光景、何かがおかしい… 「シュールすぎ」ネット上でツッコミの嵐
バランスボールに座って仕事をする人達。一体、この職場で何が起きているのだろうか…。
ダイエットやトレーニングで使われるバランスボール。大きなボールの上は不安定なため、バランスを保とうと力を入れることで体幹を鍛えられる仕組みだ。
そんなバランスボールを職場に導入したところがあって…。
【関連】職場に臭い同僚、どう注意すれば… 社労士が語る「スメハラ対策」が目からウロコ
画像をもっと見る
■この職場、何かがおかしい…
職場に出社すると、同僚がバランスボールに座ってパソコンのキーボードを叩く──。和歌山県田辺市役所では、そんな斬新な光景が見られる。
同市は2021年10月28日からバランスボールを試験導入し、14部署に15個のボールが置かれた。利用した職員の反応が良好だったこともあり、昨年2月1日から本格導入されたのだ。
■ネット上でも驚きの声
導入から1年経ち、同市の取り組みは一部のメディアで紹介され、ネット上で話題を呼んだ。「我が社もバランスボール導入したい」「ぽよぽよして楽しそう」「シュールすぎて笑った」など、普段中々目にすることのない光景に興味を示す人からの声が続出。
また、「落ちて腕折れたりして労災ききますか」「誰かバランス崩したらドミノ倒しになりそう」「二日酔いの日は地獄だと思う」といった具合に、自身が実践した時のことを想像する人の声も見受けられる。
バランスボールに座って仕事することで身体に何か変化は起きたのだろうか。件の和歌山県田辺市役所に取材したところ、「意外な裏側」が明らかになったのだ…。
■田辺市役所に問い合わせた
そもそも、なぜ職場にバランスボールを導入したのか。田辺市役所総務課の担当者が語る。
「総務部長から腰痛等の予防、改善という健康増進活動の一環として導入しようと提案がありました。安全衛生委員会において協議した結果、実施する運びとなりました」(担当者)。
日々のデスクワークで腰痛に悩まされる人は少なくないはず。そんな悩みを解消する可能性を秘めた秘策といえる。試行期間中、職員は15箇所でバランスボールに座って仕事していた。
腰痛等に効果はあったのか尋ねると、「『姿勢がよくなっていると実感できる。背筋が伸びている』『腰痛があって通院していたが、通院が不要となった』などの声があがっています。その結果、今後も継続していくのは10箇所、継続しないもしくは使用中断したのが2箇所、未定が3箇所となりました」(前出・担当者)とのこと。
効果が得られなかった人も一部いたようだが、大半は姿勢や腰痛に関する何らかの効果を体感しているようだ。
■「増やしていくことは考えてない」
今後バランスボールの数はさらに増やしていくのだろうか。前出の担当者によると、導入数を増やすことは目的としていないという。
「希望する者に事務椅子の代わりにバランスボールを使用することを認めているため、使用者数を増やしていく等の取り組みは考えていません。なお、導入に当たっては、『各所属において職場環境に合わせた運用を適宜定める』『希望者が私費で購入することとし、ボールの選定に当たっては華美にならないこと』『安全対策のため、固定用リングを必ず装着して使用する』『健康の不安(腰痛等持病)がある場合は、主治医の判断を仰いだ上で使用する』という条件を定めています」(前出・担当者)。
全職員がバランスボールに座るのではなく、あくまで健康増進の選択肢の一つということだ。
田辺市役所の取り組みが広がれば、いつか職場でバランスボールに座る同僚がいるのが当たり前になるかもしれない。
・合わせて読みたい→上原浩治氏、“飛ばないボール”導入のきっかけは… 「危なくないですか」
(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)