自家製のギロチンで夫婦がそろって自殺 インドでむごたらしい命の儀式が相次ぐ
ギロチンで死亡した夫婦には2人の子供おり、自殺の動機は不明。誰かに自死を促された可能性も視野に入れ、警察が捜査を進めている。
30代の夫婦が、大型の刃物、枠組み、そしてロープを用いて自家製のギロチンを製作し、揃って命を絶つという恐ろしい出来事がインドで起きた。『Hindustan Times』に続き、『CBS News』『NEW YORK POST』なども報じている。
■熱心なヒンドゥー教徒
ギロチンというむごたらしい方法で、夫婦が一緒に命を絶つ。そんな恐ろしい出来事が8日の深夜に起きていたことを、インドのニューデリー警察が9日に発表した。
死亡したのは、グジャラート州で農業を営むヘムバイ・マクワナさん(38)と妻のハンサベン・マクワナさん(35)。ともにヒンドゥー教徒で、寺院ばかりか自宅や農作業を行う小屋でも、熱心に祈りを捧げていたと遺族は話している。
■ギロチンが完成すると…
現場は農作業に使用される小屋で、マクワナさん夫婦はギロチンを完成させるとその目の前に祭壇を組み、火をくべた。
ニューデリー警察のインドラジーツィン・ジャデジャ副署長は当時の状況について、「彼らはロープを握りしめてギロチンに頭を通し、呪文を唱えたのちに手からロープを放したようです。鉄製の重厚な刃物は容赦なく彼らの首を切断しました」と述べている。
■頭部は祭壇の炎に
夫婦の頭部は燃え盛る祭壇の炎に向かって転がり落ちていたといい、それはヒンドゥー教の生贄の儀式に通じるものがあった。ヒンドゥー教において火は神聖なもので、礼拝の儀式でも非常に重要な役割を果たしている。
遺族宛ての遺書が見つかったため自殺とみられるが、夫婦には2人の子供がおり、動機がはっきりとしないことに加え、誰かに死を促された可能性はないかなど、警察が捜査を行う模様だ。
■同様の事例が頻発
ヒンドゥー教において自殺は魂を殺す行為とみなされ、転生もできず、生者に災いをもたらすカルマの原因ともいわれている。にもかかわらず、インドの公式データによると、こうした事例は2014年から2021年の間に100件以上も報告されているという。
その一方で、夫に先立たれた妻が夫の火葬で自らも炎に飛び込むサティー(寡婦殉死)と呼ばれる行為は、貞淑な妻として評価されることがあるそうだ。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)