ケニアでカルト信者たちが「早く天国に行く」ため餓死 洗脳した指導者は逃亡中
逃亡中の宗教団体の指導者は、先月2人の親を洗脳し、彼ら自身の子供を餓死させたとして逮捕。しかし無実を主張し、釈放されていた。
ケニアの謎の宗教団体のメンバーたちが、指導者によって森の中で断食するよう洗脳され、4人が死亡した。周辺には信者の集団墓地があるという情報もあるが、指導者が逃亡中のため全貌が明らかになっていないという。
『BBC NEWS』や『Mirror』などの海外メディアが報じた。
■密告を受け警察が出動
4月上旬、ケニア南東部の町マリンディの警察があるカルト宗教団体に関する密告を受け、「シャカホラの森」に駆けつけた。
密告によると、団体の指導者マケンジ・ヌセンゲ牧師が、15人の信者たちに「天国に早く行けるように」と餓死を促したのだという。
警察が現場に到着したところ、15人の信者たちは憔悴しきっており、そのうちの4人は病院に搬送される途中で息を引きとった。
■「集団墓地」の噂も
救出された信者たちは17歳から49歳という年齢層で、いまだに昏睡状態にある人もいるという。さらに森の中には団体の「集団墓地」があり、そこで少なくとも30人の遺体が放置されていると、周辺住民たちは主張している。
森の中には逃げた信者もいるとみられており、「集団墓地」とあわせて警察は現在も捜査中だが、森の広さが障害となり未だ見つけることができていない。
■先月逮捕された指導者
地元メディアは、指導者であるヌセンゲが先月も逮捕・起訴されたことに触れている。彼は2人の親を洗脳し、神の目から見て「英雄」になるために、自身らの子供を餓死させるよう促したとみられているが、無罪を主張し釈放された。
ヌセンゲは警察が「シャカホラの森」に駆けつけた時には現場におらず、現在も逃亡中だという。
■「無知な市民が洗脳に」と憤り
人口の85.5%がキリスト教徒だという報告もあるほど宗教活動が盛んなケニアでは、人々が危険で規制のないカルト宗教に洗脳される事例が珍しくないという。
警察は「無知な市民が洗脳されている」と憤りを露わにし、犠牲者を助け出してヌセンゲを拘束できるように、捜査を続けることを約束した。
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(文/Sirabee 編集部・広江おと)