ドラマ『ケーキの切れない非行少年たち』放送 原作はシリーズ累計150万部ベストセラー

6月20日よる8時放送のドラマ 『ケーキの切れない非行少年たち』。いま社会が向き合うべき“見えない問題”を描いたベストセラーが実写化される。

■「自分の知らない事実がたくさん」

ケーキの切れない非行少年たち

平岡:この度は、精神科医の六麦克彦を演じさせていただきます。このドラマのお話を頂戴したときに、書店で見かけて気になっていた原作本を読ませていただきました。


児童精神科医である著者が、非行少年たちの特徴や非行をしてしまう原因について解説してくれていました。それがドラマではストーリー仕立てで、1人の少女が少年院に入るところから始まります。


その中で「境界知能」という言葉を僕ははじめて目にしました。境界知能は知的障がいというわけではないけれど、知的障がい者と同じくしんどさを感じていて、支援を必要としている人です。医療少年院には境界知能の少年も少なからずいて、ただ単に『反省』を促しても、その意味するところもよく理解できていないなど、自分の知らない事実がたくさん描かれていました。


僕が演じる六麦先生は、知的ハンディを持つ少年たちをなんとか支えたいという熱い心の持ち主であり、「子供を愛するがあまりに、間違ったとらえ方をしてしまう親」にはときにビシッと厳しいことを言う一面もあります。相手に寄り添い、理解し合うことの大切に気づかせてくれる作品になったと思います。


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■「これが母性なのだなぁ」

ケーキの切れない非行少年たち

工藤:境界知能。このドラマに出会わなかったらきっと知らなかったかもしれません。知らずにいることで、一体世の中のどれだけの人が生きづらさを感じているのでしょうか?


このドラマは親子の再生の物語です。たった1つの歯車が噛み合わなくて思いがすれ違う母と娘が、無償の愛の糸で紡がれていきます。言葉でなく、切り離すことの出来ない魂の絆が、痛々しくも生きて行くことの大切さを教えてくれます。


子どものいない私にとって、里美として生きることはとても難題でした。そのため沢山の母になった友人達に質問をして、役の思いを深く掘り下げてみました。答えはどれも「これが母性なのだなぁ」と感動するものでした。だからこそ沢山の人に、どんなことにも向き合う親子の真摯な姿を知って頂けたらと思います。


このドラマから届く大切なメッセージは沢山あるけれど、私は改めて命懸けで自分を育ててくれた母に、心からお礼の言葉を伝えたくなりました。


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■ドラマあらすじ

小平恵(小林)17歳は、都内の公立高校に通う、普通の女の子。でも、恵はどんなに頑張っても勉強ができず、「やる気がない」と言われてしまう。

実は、恵のIQは76だった。知的障害(IQ70未満)ではないものの、平均値には及ばない“境界知能”に該当する。恵はその事実を誰からも気づかれず、平均的な知能の人たちと同じ土俵で勝負させられ、社会から取り残されてきた。

そして、ある過ちから子どもを身籠り、その結果、生まれてきた赤子を…。これはフィクションではなく、現実に起きた悲劇を元にした物語だ。

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(文/Sirabee 編集部・ほさかちよこ

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