岸田襲撃事件の実行犯から日本社会を考える 国内で進む分断と格差

昨年7月に続き発生した首相襲撃事件。暴力は許させるべきではないが、その動機や背景から日本社会を見つめ直す必要がある。

岸田文雄首相記者会見

和歌山の漁港を選挙応援で訪れていた岸田文雄首相を狙い、24歳の男がパイプ爆弾を投げ込み、1人が負傷した。男はすぐに周りにいた人々に抑え込まれたが、逮捕後も男は沈黙を続けている。


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■岸田襲撃事件の実行犯

男は取り調べで弁護士が来てから全てを話すと供述しているが、この問題は単に男1人の問題ではない。日本国内の現状を考慮すれば、こういった若者は容疑者1人ではなく、今後も発生する可能性が十分にある。

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■日本社会の分断と格差

今回の事件の背景には様々な要因があろうが、日本社会の分断と格差から色々と考えられる。周知のとおり、若い世代の間では結婚は絶対的選択肢ではなくなり、結婚しない男女、子供を産まない男女は増加傾向にある。

そういった分断の背景には、1つに経済力がある。個人の考えが多様化しているとはいえ、物価高もあり、タワーマンションに住む家族、高級住宅地に住む家族、貯金に苦しむ家族、旅行に行けない家族など経済的格差が広がっている。そして、それはすぐに子供の教育環境に直結する。

十分な投資を受けて学習塾に通える子供もいれば、私立学校は選択肢にない子供など、子供を巡る環境も多様化している。それらによって、家族仲がいい家庭もあれば悪い家庭も生じ始め、様々な感情を生むことになる。


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■意識すべきことは…

そして、ネットやSNSの発達によって、自分と相手を比較することは簡単だ。それによって相手が悪い、社会が悪い、政治が悪いなど不満や憎悪が様々なところに移る。こういった日本社会の変化、社会の発達という部分をもっと我々は意識する必要がある。

おそらく今回の事件の犯人もこういったところに由来している可能性が高い。この事件を単に、怖い、犯人が悪いだけで社会が終わらせてはならない。それは同様の事件を生むだけだ。

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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中

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