悪性脳腫瘍と闘う消防士を支えるため仲間が団結 揃いの坊主頭で仕事もサポート

「大事な同僚には、お金の心配をせず闘病に専念してほしい」。そう考えた仲間たちが、同僚のため身を粉にして働いている。

消防士・消防隊・消防署

脳腫瘍で手術を受けた同僚のため、仲間の消防士たちが尽力。同僚の収入が途絶えないよう余分に働いて経済的に支え、頭を丸めるなどして励ましている。仲間のために尽くす人たちについて、『InspireMore.com』など海外メディアが伝えた。


関連記事:住宅火災で老夫婦が死亡し息子が涙 「父は動けない母に寄り添い避難を拒んだ」

■頭痛に悩んだ消防士

アメリカ・テキサス州で暮らすジェイク・オーウェンさん(24)は、消防士として働く父親に憧れ同じ職業に就いた。謙虚かつ穏やかで笑顔を絶やさず、職場の仲間たちにも慕われていたようだ。

しかし2022年後半には頭痛を訴えるようになり、検査で悪性の脳腫瘍ができていると診断された。大手術が必要だと言われたジェイクさんは、しばらくのあいだ仕事を休むことになった。

関連記事:余命わずかな女児のため地域住民が団結 「楽しい誕生日にしてあげたい」と準備

■大手術を受けることに

ジェイクさんはヒューストンに移動し、10時間に及ぶ大手術を受けて腫瘍の一部を切除した。その後にさらに8時間の手術を受けて、1回目では切除しきれなかった部分も取ったという。

手術はどうにか終わったが、回復には時間がかかる。その間にジェイクさんの収入が途絶えて家族が困ることがないように、仲間たちはジェイクさんのシフトを代わってこなすようになった。

ジェイクさんの父親と働く人たちも同じように仕事の時間を増やし、家族を懸命に支えている。


関連記事:10代で乳房切除し男性になった人物が再び女性に 「どうか決断を早まらないで」

■住む場所も手配

消防署長はヒューストンにある消防署に電話をかけ、「病院の近くにある無料のアパートを用意してください」と要請。その目的は、ジェイクさんに寄り添う家族が寝泊まりする場所を確保することだった。

また当局はジェイクさんの医療費を心配し、インターネットで寄付を募る活動を開始。家族がお金の心配をしなくてすむようにと、精一杯の努力を続けている。


関連記事:脳腫瘍で記憶を失った20代女性がチャレンジの日々 「闘病を前向きに捉えたい」

■坊主頭にした仲間たち

そんななか、消防署長は「ひとりじゃない」とジェイクさんに知ってもらうために、頭を丸めて出勤。仲間たちも「俺たちもやるぞ」と声をあげ、次々と頭を丸めたのだという。

「火の中に飛び込んで行くような状況においては、怪我をして死ぬ可能性もあります。ともにそういう経験をする仲間との間には、絆が生まれるのです」。消防署長はそう説明し、仲間と一緒に定期的に見舞いに行っていると明かした。

ジェイクさんの家族も、優しい人たちの愛情とサポートに感激しているという。病気と闘うジェイクさんも、仲間の思いにずいぶん励まされているに違いない。

・合わせて読みたい→住宅火災で老夫婦が死亡し息子が涙 「父は動けない母に寄り添い避難を拒んだ」

(文/Sirabee 編集部・マローン 小原

【Amazonセール情報】ココからチェック!