「花粉症でお腹を壊す」説、判明した事実に驚き 医師が推奨する食べ物は…
花粉シーズンになるとお腹の不調を訴える人が少なくない。花粉との関係はあるのか、医師に取材した。
花粉シーズンも終盤に差しかかるが、まだまだ鼻水や目のかゆみに苦しむ人も多いことだろう。この時期、ネット上では「花粉で下痢になった」など、お腹の不調を訴える人が見受けられる。花粉との関係は…。
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■まだまだ油断できない花粉
スギ花粉は、2月から4月にかけて大量飛散する。東京都は、今春の花粉の飛散量は昨年の2.7倍、環境省もここ10年で過去最大と予測している。
4月に入って1週間以上経ったが、今週は花粉飛散量が「非常に多い」と予想される地域も多い。3月中旬から4月中旬にかけてはヒノキ花粉も飛ぶため、まだ花粉症から完全に解放とはいかなそうだ。
■お腹の不調を訴える人も
花粉症の症状は、鼻水、目のかゆみ、くしゃみ等が一般的。ただ、花粉シーズンにお腹の不調を訴える人が多い。
ネット上では、「花粉症なのか、この時期よく下痢する」「花粉症というか、アレルギーでお腹壊したりする」「関係あるか分からないけど花粉でひどい便秘になる」「この時期はいつもお腹の調子悪い」といった声が多数あがっているのだ。
■医師に聞いてみると…
記者も幼少期から花粉症を患っているのだが、たしかにこの時期、食事等の心当たりがないのにお腹を下すことが少なくない。春先に猛威を振るうスギ花粉によって、下痢や便秘になることはあるのか。
新生児から高齢者、妊婦まで診る札幌のアルバアレルギークリニックの続木康伸院長に話を聞いた。続木院長は、「花粉症は眼や鼻のアレルギー症状だけだと思われがちですが、花粉症に関連した果物・野菜アレルギーを代表とするように、全身に症状がでます。特に今年は、眼、肌、呼吸に症状がでる方が多い印象です。中には、倦怠感や腹部症状を訴える方もいます。頻度は少ないですが、花粉症の症状として現れることがあります」と語る。
全員に当てはまるわけではないものの、やはり一部お腹の不調につながる人もいるようだ。
■おすすめの食べ物は…
通常、お腹の調子が優れない際は胃腸薬を服用するのがベター。花粉症による下痢の時も、市販の胃腸薬を飲むべきか尋ねたところ、「根本が花粉症の症状なので、胃腸薬では改善しません。花粉症自体の根治を目指す免疫療法をお勧めします」(前出・続木院長)という回答が寄せられた。
ただ、前出の続木院長は「アレルギー症状の緩和が期待できるもの」と前置きした上で、お腹の不調を和らげる可能性がある食べ物を挙げる。
「ヨーグルトや納豆などの発酵食品は、腸内環境を整える乳酸菌が含まれているので、免疫力をよい方向に整えることが期待できますし、イモ類に含まれるデンプンは腸内環境を整える効果があります。オレンジやグレープフルーツなどの柑橘類はビタミンCが豊富で、抗酸化作用があります」(前出・続木院長)。
こうした食べ物を中心にメニューを考えてもいいかもしれない。まだまだ花粉シーズンは続くが、対策を徹底して乗り切りたいところだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人 取材協力/<a href="https://alba-allergy-clinic.com/">アルバアレルギークリニックの続木康伸院長)