大阪の博物館で発見した猛毒、その4文字に目を疑う… 「危険すぎだろ」とネット民驚愕
大阪市立自然史博物館で、恐ろしい猛毒が発見され話題に。その詳細を受けて「危険すぎるだろ…」と、驚きの声が続出しているのだ。
「薬も過ぎれば毒になる」と言われるように、日常生活の中には「分量を誤ると毒になる」という物質も少なくない。まさに薬と毒は表裏一体なのだ。
なお現在ツイッター上では、大阪市のとある博物館に出現した「予想外の毒」に対し、多くのユーザーが悲鳴を上げているのをご存知だろうか。
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■「殺意が高い」猛毒に遭遇
今回まず注目したいのは、ツイッターユーザー・クソアシスト診療所院長 ハルさんが投稿した1件のツイート。
投稿本文には「毒展にやって来たんだけど、いきなり猛毒展示してきてて殺意高い」との1文が綴られており、どうやらハルさんは毒に関する様々な展示物が見られる「特別展『毒』」(以下、毒展)の会場に足を運んでいたようだ。
「いきなり猛毒」「殺意高い」といったパワーワードが並んでいることから、一体どんな毒なのか…と身構えつつ、ツイートに添えられた写真を見ると…そこには「花粉(スギ)」と題された、恐ろしい展示物が確認できたのだ。
◼︎「どんな劇薬よりも恐ろしい」
なお、展示物のパネルには「アレルギーの原因物質として有名」「担当者(長谷川)もスギ花粉に対してアレルギー反応が強く出る。頑張って採集してきました!」と記されており、思わず担当者の長谷川さんに同情してしまう…。
前出の投稿はツイッター上で瞬く間に話題となり、投稿から数日で4万件近くものRTを記録するほど。他のツイッターユーザーからは「見ただけで鼻がムズムズしてきました…」「担当者、命がけやん」「危険すぎる」「他に適任な担当者いただろ…」「この世のどんな劇薬よりも恐ろしい」「長谷川さん、無事なのか…」などなど、反響の声が多数寄せられていた。
ツイート投稿主・ハルさんに投稿の経緯を尋ねたところ、話題の写真は3月末に大阪の「大阪市立自然史博物館」にて撮影したものと判明。
ハルさんは、当時の様子について「展示場の最初にはカビたパンや玉ねぎ、酒やタバコなど身近な毒を紹介しており、今回の花粉はそこで拝見しました」「私自身はスギではなく白樺の花粉症なのですが、まさしく毒というべき様々な症状に苦しめられてきたので、若干の恨みも込めて投稿しました」とも振り返っている。
そこで今回は、大きな話題を呼んだ展示物の詳細、および長谷川さんの安否を確認すべく、同博物館に取材を敢行することに。その結果、知られざる真実が明らかになったのだ…。
◼︎長谷川さんの「漢気」に涙
今回の取材に応じてくれたのはなんと、展示パネルに名前が記されていた長谷川さんその人。2月下旬まで東京・上野の「国立科学博物館」にて開催された毒展ではスギ花粉の展示はなかったようなので、まずはスギ花粉展示の経緯について話を聞いてみる。
すると、長谷川さんは「東京ではマツの花粉が展示されていましたが、アレルギー物質としての花粉の展示だったものですから、やはり季節柄スギを展示しないわけにはいかない…と思い、私が集めることになりました」と、当時の様子を振り返る。
続けて「大阪展での主担当ということで私が採集しましたが、毎年悩まされている花粉を集めるのは…正直、大変嫌でした」とも、ぶっちゃけていた。
なお、前出のハルさんのコメントにもあったように、スギ花粉が展示されているのは「生活の中の毒」をテーマとしたコーナーで、ビール(アルコール)、(水銀濃度が高い)マグロなど、他にも一風変わった展示物があるのだそう。
その中にはアレルギー物質として、花粉だけでなく「ほこり」も展示しており、長谷川さんは「こちらのほこりは、他の展示品と共に東京の国立科学博物館から運んで来ました」「ほこりが博物館に展示されるのは、今回が初なのではないでしょうか」とも力説していた。
なお、本人としては「隣に負けじと、大阪市立自然史博物館のほこりも並べておくべきだった…」と後悔しているようで、改めて同展に対する熱量の高さが感じられる。
◼︎長谷川さん、すでに末期症状だった…?
続いては、どのようにしてスギ花粉を採集したのか、その恐ろしい罰ゲーム(?)の全貌について尋ねてみる。
本来ならば思い出すだけで苦痛のはずだが、長谷川さんは「雄花が開く直前の枝を採って水に挿し、グラシン紙という紙で作った袋を被せます。しばらくすると雄花が開き、花粉が袋の中に溜まっていきます」と、その手順を解説。
しかし、この辺りから表情が曇り始め、「ここまでは良いのですが、この袋からシャーレ(容器)に移すときが大変でした…。袋の隙間から花粉が出てきてくしゃみがとまらなくなるし、そのせいで袋を激しく動かしてしまい、花粉が手の甲にどばっと落ちてきて、反射的にそれを振り払ってしまったため、辺り一面に花粉が広がってしまったのです」と、振り返っており、現地は完全に地獄と化したようだ。
長谷川さんは「のど、目の周り、鼻が1週間ほど痒かったです。もちろん花粉症の薬はずっと飲んでいたのですが、効きませんでした…」とも強調しており、改めて花粉の恐ろしさを実感した思いである。
しかしその後、「とれた花粉はサラサラで想像以上に美しく、驚きました。あまりに綺麗だったもので、追加で採集に行きました」と、思わず耳を疑うコメントが飛び出したのだ。
とはいえ、花粉に魅了されても花粉症である点は当然変わりなく、「花粉症に苦しむ皆さまへ。スギはそろそろ終わりで、ヒノキがピークになっています。まだまだ大変ですね。私はこの後、イネ科も控えております」「花粉症の方に対し、勝手に戦友のような思いを抱いております。頑張って乗り越えましょう」と粋なメッセージを寄せてくれている。
前出の「スギ花粉」のほか、一部の展示物が近畿地方の植物や生物に差し替えられたりと、前回の東京展示から細かい部分が変化している毒展。
長谷川さんは、その魅力について「毒は多くの方の興味を引きつけるようです。毒はそれ自体魅力のあるものですし、様々な動植物を食べる必要のある人が毒に興味を持つのは、本能的なことなのかもしれません」「毒については勉強しておいて損になるようなことは一つもありませんし、毒展では、鷹の爪団のナビゲートや、大迫力の拡大模型などで楽しく毒について学べるように工夫しています。ぜひお越し下さい!」ともコメントを発していた。
博物館を訪れた際は、展示物を入手する裏で、どのような努力が展開されていたのかに思いを馳せると、これまでとは違った新たな発見がありそうだ。