第3次世界大戦の震源地は… ヨーロッパだけではなく北東アジアの可能性も
長期化する様相のウクライナ戦争。一部では「第3次世界大戦の震源地はまたヨーロッパか!」の声も。しかし、北東アジアの現実を見よう。
ロシアがウクライナに侵攻してから1年が過ぎるが、依然としてこの戦争では打開点が見えない。最近ではポーランドとスロバキアが戦闘機をウクライナへ供与することを発表し、フィンランドのNATO加盟が正式に決定し、それによってロシアのプーチン大統領は戦術核をベラルーシへ配備する方針を示した。
■震源地はヨーロッパの声も
今日、戦況はウクライナで具体的に繰り広げられるものの、その対立はウクライナを超えて米国や西欧、近隣のポーランドやフィンランド、ベラルーシやロシアなど多様なアクターを交えたもっと広いものになっている。
こういう状況について、第1次、第2次に続き、第3次世界大戦もまたヨーロッパが震源地となるのかという不満や失笑の声が、グローバルサウスから多く聞かれる。
■北東アジアも予断を許さない
しかし、第3次世界大戦となれば北東アジアも決して対岸の火事ではない。
今日、韓国は日本や米国との結束を強め、南北の緊張の度合いは高まるばかりだ。韓国のユン政権は米韓合同軍事演習で北朝鮮をけん制し、北朝鮮は核ミサイルの開発強化を進め、正に何をするか分からない状況だ。
また、台湾を巡る緊張も米中の間でこれまでになく深まっており、有事となれば世界の2大国が撃ち合うことになり、世界経済への影響はウクライナの比ではない。
しかも、米国が台湾有事に時間を割かれることになれば、朝鮮半島が手薄になり、それに乗じて南北統一を諦めない北朝鮮が軍事的威嚇をエスカレートさせるとの指摘も聞かれ、台湾有事と朝鮮有事のドミノ現象という事態も排除できない。
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(取材・文/セレソン 田中)