日本人の8割超、このマヨネーズの「本名」誤解していた 100年前にそんな出来事が…
かわいらしいキユーピー人形のシンボルマークと、マヨネーズ商品でお馴染みの企業。じつは日本人の「8割以上」が正式表記を誤解しており…。
世の中には「あれ、どっちだったかな…」とおぼろげに記憶してしまう事象が多々あるが、その正式名称が誕生した「背景」を知ると、思わず納得してしまうもの。賢明なる読者には既知の事実として映ったり、「細かすぎるだろ!」とツッコミを入れたくなるケースもあるかと思うが…決して少なくない人々が「誤って記憶している事象」の正体について探っていきたい。
今回取り上げるのは、大ヒット「マヨネーズ商品」でお馴染みな企業の「正式表記」についてである。
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■「キューピー」の呼び名でお馴染みの企業だが…
まず注目してほしいのが、全国の10〜60代の男女1,000名を対象としたアンケート内での「マヨネーズでお馴染みな企業の正式表記はどちら?」という設問に対する回答結果。
こちらの設問に対して全体の80.5%が「キューピー」と回答し、残る19.5%は「キユーピー」と、大きい「ユ」表記の方を選択している。
かなり大きな差がつく結果となっており、やはり「キューピー」表記が正しい、と思ってしまうが…じつは同社名は「キユーピー」が正式表記となるのだ。
しかし回答結果を見れば明らかだが、日常生活で同商品の話題が出る際、人々は明らかに「キューピーマヨネーズ」と、小さい「ユ」の音を用いている。というか「キユーピーマヨネーズ」と呼ぶ人物に出会った記憶が、そもそも無い…。
そこで今回は「キユーピー株式会社」に、社名および商品に関する疑問をぶつけてみることに。その結果、なんとも驚きの事実が明らかになったのだ。
■「読み」と「書き」で異なる企業名
まずは取材概要を相談すべく、同社の担当者と電話にて会話したところ、やはり開口一番の発言は「はい、キューピーでございます」というもの。
「となると、キューピーが正しかったのか…?」と首を傾げつつ、メールにて詳細なやり取りを行なったところ、こちらでは「キユーピー広報の○○です」という表記が確認でき、思わず脳がバグりかけてしまった…。
しかし後に、同社の一連の対応は何一つ矛盾が生じていないと判明。そう、同社は「キユーピー」が正式な表記、且つ読み方は「キューピー」となるのだ。ちなみに、担当者のメール文末には「※キユーピーの『ユ』は大文字を使用しています」という説明が確認できた。
一風変わったスタイルを採用した経緯について、キユーピー担当者は「キユーピーの『ユ』の字は、バランスの良いデザインを考慮し、大きな『ユ』を採用しております」と回答している。
なお、お馴染みのかわいらしい人形も、通常は「キューピー人形」と表記されるが、同社のシンボルマークの場合は「キユーピー人形」と記すのが正解なのだそう。
/#キユーピーマヨネーズ 豆知識📢
\キユーピー マヨネーズのパッケージを
よーく見てみてください🔎「キユーピー」の「ユ」は、大文字の「ユ」❗️
デザイン上の見た目のバランスを考え、大文字の「ユ」を採用しました😊ご存知でしたか❓
お友達にもRT🔃で教えてあげてくださいね🙏 pic.twitter.com/9exHX0d3Qo— キユーピー公式 (@kewpie_official) January 24, 2022
続いて同社の歴史について尋ねたところ、1919年(大正8年)の創業当初は「食品工業株式会社」という社名を冠していたことが明らかに。25年(大正14年)には日本で初めてマヨネーズの製造・販売を開始し、当時から「キユーピー印」の、卵黄対応のマヨネーズを取り扱っていたのだ。
社名を現在の「キユーピー」に名前を改めたのは57年(昭和32年)で、これはユーザーにとって非常に馴染み深い「ボトルタイプのマヨネーズ」が発売される前年の出来事である。
キユーピー担当者は「当時、ブランドを社名にした会社は珍しかったと聞いています」とも補足しており、同社がいかにマヨネーズ商品に力を注いでいるか、改めて明らかになった思いだ。
■じつは現在のロゴは「キユーピー」でなく…
同社のロゴマークというと、多くの人がカタカナの「キユーピー」表記を連想することと思うが、現在は英字の「kewpie」へとシフトしたのをご存知だろうか。
ロゴ変更の経緯について、キユーピー担当者は「英字ロゴへの切り替えには『海外の方々にも親しまれる企業でありたい』という思いがあり、2017年から実施しております」と語っていた。なお、こちらは「キユーピーマヨネーズ」商品のロゴでなく、あくまで「企業としてのロゴ」の話である。
今回の調査で「キューピー」と認識しているユーザーが多数だった件に関しては、「表記がデザイン・バランス上の理由で『ユ』を大文字にしている一方、読み方は『きゅーぴー』となるため、なかなか気付いて頂けないのも、致し方ないことかと思います」とのコメントを寄せつつ、「私どもの商品をお使いくださっている層(30〜50代)での認知度が、少し高めになっているように受け取りました」とも振り返っていた。
100年以上の長きに渡り、日本の食卓を見守ってきたキユーピー。今まで「社名の表記」を気にかけていなかった人はぜひ、意識してみよう。
また、今回のように細かい部分の表記で、多くの人が誤解していそうな商品名・企業名・チェーン名等があれば、ぜひSirabee編集部に情報を寄せてほしい。日常に隠れている、ちょっとした『気になる』の謎を共に解き明かそう。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)
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