中国が台湾有事の準備に着手か 習近平は有言実行の中華皇帝になるか
依然として緊張が続く台湾情勢。新たな米下院議長が台湾訪問の意思を示すが、中国は独自に侵攻を想定した準備を進め…。
有事のリスクが高まり、台湾国内では市民を中心に軍事訓練や避難訓練を行う動きが広がる中、最近中国の地方政府が軍の指導下で有事に備えた国民動員を担う組織「国防動員弁公室」を相次いで設立しているという。
■習政権が国民動員のための組織を設立か
国防動員弁公室は有事の際に市民を動員するための調査や計画を立案し、2月半ば上海で国防動員弁公室の設立式が開かれた。
今日、どこに国防動員弁公室が設置されているかは分からないが、台湾海峡に近い福建省などを中心に今後増えていけば、習近平政権が台湾侵攻に向けた準備に着手したとも理解できる。
中国国民の間からも、自ら徴用の対象となるのではないかと不安の声も聞かれる。
■有事を想定した防空壕発見アプリも誕生
そのような中、南部福建省の厦門市では、市民に防空壕の位置を知らせるアプリが登場した。
厦門市の地方政府によると、空襲やミサイル攻撃などが発生した際に近くにある地下鉄の駅や地下歩道を地図上で探すことができ、いち早く避難する上で有効だという。福建省では、厦門市をモデルとしてアプリの使用や取り組みを省内全域に広げる方針だ。
台湾でも昨年同様のアプリが政府から発表されたが、中国自身がそういった行動に自主的に動き出したことは大きな懸念材料だろう。
■中国は本気で動き出すか
台湾有事を巡り、これまで注目が集まってきたのは台湾国内の変化、米国や中国の政府高官らの発言、中国による軍事的威嚇などだった。
しかし、こういった事実からは中国が侵攻に向け中国国内での動きを進めていることが想像できる。今後はこういった動きを注視していく必要があるが、人民解放軍が同様の動きを示し始めた際は大きなサインかもしれない。
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(取材・文/セレソン 田中)