日テレ水10ドラマが盤石である理由 門脇麦を大抜擢し今田美桜を飛躍させる

『スタンドUPスタート』の低視聴率が話題だが、より注目すべきは日テレ水10の主演女優陣。

今田美桜・門脇麦

フジテレビの水曜22時ドラマ『スタンドUPスタート』が様々な視聴率ワースト記録を塗り替えようとすることで話題だが、一方で注目に値するのは裏番組の日本テレビのドラマである。


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■日テレ vs フジのドラマ枠対決

現在、『スタンドUPスタート』の裏で放送されているドラマが、門脇麦主演の『リバーサルオーケストラ』(日本テレビ系)。

フジの水10ドラマは、ちょうど昨年の春から始まっている。ちょうどこの頃、日テレの水10ドラマ枠もある特徴を帯びた枠へと変化した。

昨年の春から、日テレの今田美桜主演『悪女(わる)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜』とフジの間宮祥太朗主演『ナンバMG5』より、同時間帯のドラマ対決が始まったのだ。

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■不安定な枠に今田美桜の初主演

日テレ水10は既に長年ドラマを放送している時間帯。しかし、フジのドラマ枠開始以上に、『悪女(わる)』によるドラマ枠の密かなリニューアルが画期的だった。

今田美桜は『悪女(わる)』で初めての主演となる。しばらく脇役で活躍していた今田の主演は、放送開始前は結構な不安があっただろう。

同枠は戸田恵梨香と永野芽郁の『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』などの評価される作品もあったものの、不安定でもあった。


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■今田を押し上げた大抜擢

しかし今田は『悪女(わる)』の 田中麻理鈴(たなか・まりりん)役にピタリとハマり、見事に主演を全うした。

また、今田は『2022年テレビCMタレントランキング』の放送回数ランキングでは第3位。昨今はドラマの出演者とCM枠を合わせるようになってきており、今田ばかりのCMタイムに視聴者も驚いた。最近では、バレンタインジャンボのCMでの今田の顔芸も大好評。

『悪女(わる)』での大抜擢により、今田は広瀬すずにも並ばんとする若手女優の筆頭格の1人となったと言えるだろう。


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■主演女優を大抜擢する日テレ水10

その後も同枠は、橋本愛主演の『家庭教師のトラコ』(日本テレビ系)や奈緒主演の『ファースト・ペンギン!』(日本テレビ系)を放送。

橋本と奈緒、いずれも地上波民放GP帯連続ドラマで初主演となった。同枠は主演女優を大抜擢するドラマ枠となったのだ。

主演女優を大抜擢するのだから本来はより不安定になってもおかしくないのだが、むしろ同枠は主演女優大抜擢方針により、画期的ながらむしろ安定したドラマ枠へと変貌した。


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■現在、門脇麦も主演に大抜擢

現在放送中の『リバーサルオーケストラ』主演の門脇麦もまた、地上波民放GP帯連続ドラマ初主演。同番組は門脇演じる元天才バイオリニストの谷岡初音や、田中圭が演じるドイツで活躍するマエストロの常盤朝陽が、縁あって地元オーケストラの『児玉交響楽団』で出会う物語。

楽団メンバーが抱える問題を、メンバー同士で協力して解決していく展開が巧み。門脇は多くのドラマでキーとなるキャラを巧みに演じ続けてきたが、主要ドラマ初主演でイメージにないかわいい演技が好評だ。


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■日テレ水10の貫禄

フジの水10も新設されたドラマ枠であり、間宮や町田啓太を主演に、またAKB48の元メンバーの川栄李奈をヒロインに大抜擢している。現在主演の竜星涼も、コツコツとここまで辿り着いた実力派俳優の見事な大抜擢と言える。

日テレ水10ドラマの密かなリニューアルが、フジの水10ドラマにちょうど対抗できるタイミングだったのは不幸だった。

春からの日テレ水10は久々に民放キー局主演の芳根京子、フジはいよいよ実力派主演女優である波瑠を据える。

いずれフジドラマ枠が移動することによって、フジの大抜擢ドラマ枠が安定するのか、それともより強力に日テレに対抗していくのか。今後のドラマ界に注目できる。

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(文/メディア評論家・宮室 信洋

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