重病の父に娘が内緒で腎臓提供 「臓器はもらえない」と拒否されても諦めず
「お父さんには絶対に生きてほしい」。そう強く願った娘が極秘で手続きを進め、ドナーになって父親の命を見事に救った。
腎臓移植が必要な状態であったにもかかわらず、「娘からの提供は受け入れがたい」と考えていた男性。しかし娘がこっそり準備を進め男性を驚かせたことを、『People』などアメリカのメディアが伝えた。
■体調を崩した父親
アメリカ・ミズーリ州で暮らす女性(25)には、心配でたまらないことがあった。数年前に大好きな父のジョン・イヴァノフスキーさん(60)が腎臓病を患い、体調を崩してしまったのだ。
ジョンさんが「将来的には腎臓が機能しなくなる可能性がある」という深刻な診断を受けたことを知り、女性たち家族も不安な日々を過ごすようになった。
■「お前の腎臓は不要だ」と断言
娘の腎臓をもらう選択肢も示されたが、ジョンさんは断固拒否。それには深いワケがあった。
今から15年以上前、ジョンさんの息子ががんを患い死亡。精神的に打ちのめされたジョンさんは、「俺は息子を亡くしてしまった。もし娘にまで先立たれてしまったら…」という不安を、払拭することができずにいたのだ。
しかし娘は立派に育ててくれたジョンさんを思い、恩返ししようと決心。「私にできることはすべてしてあげたい」と、強く思うようになっていた。
■厳しい現実に直面
闘病を続けていたジョンさんだが、さらなる体調悪化という厳しい現実に直面した。腎不全だと確認した医師団も、「(手術を受けないままだと)ジョンさんは長くは生きられない」と、家族に宣告するしかなかった。
娘は「私の腎臓を移植してもらうしかない」「どんなに怒られてもいい、お父さんには私の腎臓をあげる」と決意。その後、何ヶ月もかけて極秘で検査を受け、手続きもすべて終えて運命の日を待った。
■ついに迎えた手術の日
娘がドナーであることを知らないまま、ジョンさんは手術室へ。移植手術は無事に終了し、ジョンさんはピンチを切り抜けた。
その翌日、点滴をつけた入院着の娘が病室を訪れたため、ジョンさんはすべてを察知した。大変な衝撃を受けたというが、今は体調がずいぶん良くなっており、娘の愛情と思いやりに感謝しているそうだ。
娘を危険に晒したくなかったジョンさんと、ジョンさんに生きてほしかった娘。手術の成功により二人が生きていることを、15年前に旅立った天国の息子も喜んでいるに違いない。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)