「服が透けて見えるレンズ」がとうとう完成? 歓喜の声上がる中で衝撃の事実が…
手前の物質だけが消えて見える謎のレンズ。服を透けさせることができるのでは…とネットで話題に。
背景のいち部分だけが消えているフィルターがネットで話題を呼んでいる。中には「いよいよ服が透けるレンズが誕生したか」との声もあったが、投稿者を直撃すると、非常に興味深い驚きの真実が…!
【話題の画像】目を疑うしかないこの名刺…持ち主の研究内容がすごすぎて
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■背景はそのままなのに前面だけ消える
「研究内容がなかなか口頭で伝わらないので、このカードを名刺入れに入れておくことにした」とコメントを添え、驚きの写真を投稿したのは、Twitterユーザーの宮下芳明さん。
置いてあるボールペンにレンズのようなカードをかざすと、一部分だけ透明になっている。まさに摩訶不思議。一瞬意味がわからないと脳がバグる方も多いだろう。
というか、このレンズをかざせばボールペンだけ消えているということは、理屈上「服だけを消す」ということも可能なのかも…? これは様々な可能性を秘めている大発明である。
■「視覚が混乱する」と大反響
この不思議すぎる写真にネットでは反響が多く、「なんだこれ!」「忍者みたい」「なにコレほしい」と感激の声が寄せられている。
またユーザーそれぞれが様々な考察を繰り広げた一方で、「服が透けて見えるメガネ」や「箱型にして被ることで自分が透けて見える物」など、夢の道具を実現できるかもと期待する声もあった。
記者は、そんな衝撃写真を載せた投稿者の宮下さんを直撃した!
■その正体は…「レンチキュラーレンズ」
当事者である宮下さんは、明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 教授・学科長を務めるサイエンティスト。そんなこともつゆ知らず彼に問い合わせると、衝撃の答えが返ってきた。
この不思議なカード、じつは宮下さんが発明したものではなく「買ったもの」だという。その正体は「これはレンチキュラーレンズといいます。値段は156円」(宮下さん)。「え、服消えないの? レンチキュラーレンズってなあに?」などの疑問が一気に吹き出したが、簡単にいえば雑誌の付録や定規などで幼いころよく見た「左右に傾けると絵柄が変わって(動いて)見えるアレ」だそうだ。
いま研究している内容を伝えるため、宮下さんは常にこのカードを持ち歩いていており、今回の投稿はそのカードを紹介しただけだった。ちなみにこの技術自体は100年ほど昔からあり珍しいものではない…はい、服は消えない!
■魔法のようなデザートだって作れる!
今回のバズりが読み手の勘違いによるものなら、投稿者が訴えたかった「研究」とは何なのか? 宮下研究室では、味覚に関する研究を多く行ってきている。これに加え、今回開発したのが「可食レンチキュラーレンズ」だ。
研究成果を簡潔に説明すると「切るまで具が入ってないように見える透明食品」を作ったということらしい。一見透明に見える食べ物でも、ナイフなどでカットすると中の具が出現するという、まさに魔法のようなデザートを作ることができるのだ。実際に、フレンチレストラン「élan vital」と共同で「方向によって見え方が変わるデザート」も作成したという。視覚が変わると味覚も変わる時代がくるのかな。
投稿者さえあまりの反響に戸惑ってしまった今回のTwitterバズ現象。話題化をきっかけに、さらに先生の研究にも注目度が上がることだろう…!